猫のひとりごと


 円の外側[詩]


2016.7.17(Sun) 03:00



たとえば シマウマは
どの個体にもシマがあって
ウマに似ていて

たとえば キリンは
どの個体も首が長くて

たとえば パンダは
どの個体も白黒で
同じ模様をしている

それぞれ「個々に」別の意識を持ちながら
端から見るとどれも「同じ」生き物に見える

彼らは「個々に」死んだとしても
「種」としては死なない

彼らは「個々に」感情が隔絶しているようで
「種」としては「同じ」考えをもっている

たとえば イワシのように
自分が生き残れなくても 他の誰かが生き残ればよいと

たとえば カマキリのように
命尽きても 卵さえ残ればよいと

「自分」ではなく「種」を守ろうとする
それが《生き物》というものならば




「個々に」別の意識をもち
「個々に」感情が離別し
「個体」の死を重視し

「種」が滅び行く命運を辿るとしても
「自分」が生き残ろうとするものを

生き物と呼べるだろうか



ヒトは《生き物》の定義から転げ落ちてしまった

「個体」を生かそうとすればするほど
「種」として生き抜くことは難しい










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