2024/4/14 Sun 07:21
誰もが首をひねった演技派俳優・古尾谷雅人の自殺の謎…の巻





話題:芸能ニュース







長身で演技派として評判が高かった古尾谷雅人が2003年3月、自ら命を絶った。

45歳だった。

はたからは順調に俳優人生を送っているとみられていたが、死後、経済的苦境や心の闇が次々に明らかになった。



25日、午後6時ごろ、外出から帰った妻で元女優の鹿沼絵里(当時50)は夫が寝室から出た気配がないのに気づいた。

部屋をのぞいてみると、天井に渡された鉄パイプに空手の黒帯が結ばれており、そこには身長188センチの古尾谷が床につかないように足をくの字に曲げた姿でぶら下がっていた。

遺書はなかったが、明らかな自殺だった。

しかし、だれもが首をひねった。

仕事の面でも家庭の面でも順風満帆にみえていたからだ。

80年に映画「ヒポクラテスたち」で報知映画賞を受賞して脚光を浴び、90年には「宇宙の法則」で毎日映画コンクール男優主演賞を受賞。

90年代後半にはテレビドラマ「金田一少年の事件簿」の警部役が当たり役になり、ファンは確実に広がっていた。

だが、その後の報道では金銭面で苦労していたことがわかった。

まず特別区民税を450万円も滞納。

さらに、別口の借金で自宅マンションに550万円の抵当権が設定されていることも判明した。

「バブル絶頂期に1億4000万円のローンを組み、1億5000万円でマンションを買ったが、当時は4000万円ぐらいに値下がりしていた」(胡散臭い芸能関係者)とローンにも苦しんでいた。

そして、運が悪いことに、役者として大物視され、ギャラのランクが上がったことで、仕事のオファーが減っていた。

それでも、存在感と役作りに定評のある、自他共に認める昔気質の役者だった古尾谷は、あくまでも俳優の仕事にこだわり、バラエティーなどの仕事は受けなかった。

そこで鹿沼は日活の元売れっ子女優というプライドをかなぐり捨て、借金返済のため近所のスナックでアルバイトをしながら、金策に走る日々を送った。

それだけではない。

親族間でのトラブルも持ち上がっていた。

自殺の前年、古尾谷の父が亡くなったのだが、遺言でほとんどの財産を継母が相続し、古尾谷と弟が裁判で継母と争っていたのだ。

これらのことが重なって古尾谷は鬱状態に陥っていたという。

家では昼夜逆転の生活を送り、巨人戦を見ては酒浸りの生活。

鹿沼が著書「最期のキス」(講談社刊)で明かしたところによると家族に暴力を振るうことも多かったという。

古尾谷は生い立ちも複雑だった。

幼い頃、実母と生き別れ、いわゆるアダルトチルドレン的なところもあった。

暴力を振るうことで自責の念にかられた面もあるだろう。

しかし、それでも古尾谷は生真面目、一本気で知られた。

他人には理解できない深い悩みを抱えていたことは想像に難くない。

28日に行われた葬儀では、大勢の映画人が参列。

今は亡き長門裕之は「俺の老獪(ろうかい)な生き方を教えてやりたかった」と、この生真面目な男の死を惜しんだ。

(日刊ゲンダイ発)










合掌。



(^^)/(^^)/









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