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とんだカマってちゃん
街の喧騒と抜きんでた快晴に目を細める
思い出がぐるりぐるり、よく眠れなくてきみと目が合ってもお互いに曖昧に口角を上げるばかりだ。きみも朝からずっとギターを弾いている。
知り合いが灰になったせいで、何か喉に引っかかっているみたいに言葉が見つからない。
覚えていないだろうけど、わたしは覚えていることたくさんあるんだよ。
美容に無頓着なわたしにずっと「女なんだから〜」って言って「でも、アンタはそのままで居てほしいとよ」「シイバより男らしいもんねガハハハ」って。
九州弁でも英語でもたくさん話したし、髪も切ってもらったし、懐メロのものまねも付き合わされた。
つい数日前、最後に会った日もずっと隣にいて、ベロベロに酔っ払って声もガサガサで何言ってんのかわからなかったけど、たくさん話をしながら朝まではしゃいだ。
まさかさ、いやまさかあんな迷惑なオカマ崩れにこんなに泣かされるとはほんとに思わなかったよ。
線香の匂いはシイちゃんに似合わんね。
ああ、そうかいないのか
もういないのか
遣る瀬無い
・・・・