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過去の自分との対峙



『老人と犬』、読了です。

ケッチャム作品でここまで心地いい感動を味わうことになるとは思わなかった。言うなればハートフル・サスペンス。
子供の死体がすっころばってるのにハートフルと言うのも妙な話だけど。

読み進めて行くうちに、思いもよらなかったけど、これは老人自身の過去との対峙なんだと気付いた。とてもそうは見えないけど、マコーマックはかつてのラドロウなんだ。自分が“何をしなかった”のか、ラドロウはマコーマックを通して突き付けられている。
愛情と甘やかしは違う。…かと言って、ラドロウの言うように“尻を鞭でひっぱたく”必要があるとも思わないけど(これは比喩的な意味だったのかもしれない)。
愛情と甘やかしの中間、束縛と躾の中間。私はいつもそこにいたいと思っているけれど、いれている確証はない。多分、常に中間に居続けることは難しい。大事なのは、中間を目指し続けること、だと思うけど、私がラドロウにもマコーマックにもならない確証は、きっとないんだよね。

マコーマックはラドロウの道を歩んでいる。結局ティムは死んだ。それはちょっとショックだった。

意外だったのは、おそらくラドロウがダニエルに愛情深く接していたこと。ケッチャムもそれを意識して書いているんだろうね。
だってラドロウがダニエルにやったことは、本書のラストで子犬への接し方について、エマ・シドンズが望んだことと同じだもの。まるで、過去に自分ができなかったことをやって、罪を贖っているみたいだった。



話題:オススメ本

ついに日本公開

ジャック・ケッチャム『隣の家の少女』

嬉しいです!
なんか随分煽情的な予告編だけど…。まぁ、これはしょうがないのかな。ショッキングな方が人呼べるだろうしねぇ。
実際観た人の感想では、そこまで残酷描写はないそうです。児童虐待に厳しいアメリカでは、こういう描写はぼかさざるを得ないんでしょう。ケッチャム作品の見どころは残酷描写じゃないと思っているので、それはそれでいいかな。

やー楽しみだな!3月!嬉しいわ!


彼女は子供を守るために少女に熱湯を浴びせた



1965年、インディアナ州東ニューヨークから通報が入る。駆けつけた警察官に少女が言った。「保護して。全部話すから」。
実際の事件を裁判記録を元に再現したノンフィクションドラマ。


『隣の家の少女』の元となった事件の映像化作品と聞いて鑑賞。
これが実際にあったことなのだと思うと、安っぽい涙を流すことも失礼に思い、ただ黙って鑑賞していました。鑑賞後事件の詳細について調べると、映画がかなり抑えた表現と製作者の公平に物事を見ようとする努力によって作られていたことがわかる。この事件を怒りを抑えて語るのは、なかなかできない。

作中ガートルード(キャサリン・キーナー)は自分の娘を「私に似ている」と言い、それを笑い物にしたシルヴィア(エレン・ペイジ)は見過ごせないと言います。
ガートルード自身もあの生活では、周囲に(口に出さなくても)淫売と蔑まれていただろうし、それを考えると、自分の娘を守ることは彼女自身を守ることだったんだろうね。

子供たちの行為について賛否両論あると思うけど、生き物への虐待は成長過程で必要なこと、と説く研究者もいる。彼らの行動は、「これをやったらどうなるか」、「あれをやったらどうなるか」の、好奇心の結果だったのかも。
大人なら結果は予測がつくし、予測がつくからやらない。でも良く教育されない子供にとっては、あれは確かに遊びで、おそらく学びなんだろう。

私はずっと性善説を信じてきた。でも最近は、社会に適切に関わっていれば人は自ずと善になる、と考えを改めた。それはまぁ、つまり“性善説”なんだろうけど。
良く教育されない子供はけだものと同じ。そう感じる。であれば、彼らを善人と同じように尊重するべきなのか?考えてしまうよね。
人は誰でもいい環境に恵まれるとは限らないし、彼らにいい環境を与えなかったのは私たちでもあるわけだから、その責任を果たそうと思うなら、彼らのことも尊重するべきなんだけど、寛容であろうとすることが彼らを図に乗らせるなら、いっそ切り捨ててもいいのかもしれない。






話題:実話を元にした映画。

記事が増えてきたので

ケッチャムのカテゴリ作りました。
過去の記事もカテゴリ分けしてあります

そういえば過去記事読むと最初はそんなに好きじゃなかったんだなケッチャムw『オンリー・チャイルド』でがらっと見方の変わってる自分に吹いたw
過去記事では「人にケッチャム作品を勧めるなら『地下室の箱』から」って書いてるけど、今は『オンリー・チャイルド』から勧めたい。あの作品はケッチャム作品としては異質だし、初めてケッチャムに触れるには重すぎるけど、“彼がどんな意図で残虐行為を描いているのか”が一番わかりやすい作品だと思う。
ケッチャムの意図を知って他の作品を読むと、見えてくることが変わってくるんですよね。『地下室の箱』はそうでもないけど、『ロード・キル』の印象は今ではかなり違います。以前は読み流した「最後にあの子を口に含んだのは」。あれが言葉通りの意味だと言うのがどういうことか、以前と考えが変わっています。
ケッチャムが「なにもそこまで描写しなくても…」というほど克明に描写するのも、『襲撃者の夜』を思い起こせば納得できる。彼は芸術家の義務を果たしてるんだね。

そういえば『ロード・キル』の感想書いてないなぁ。書きたいなぁ(人´∀`*)
でも前に思ったのと同じこと書けないなら今書いても、という気もする…。読了した本はそのときの感動をそのままに書きたいよね。
どうしようかなぁ(*´ω`*)

ケッチャムと聞いて



レンタルしてきました『失われた黒い夏』!
TVMだし、事前にネットで目を通したレビューの評価も高くなかったので、そんなに期待しないで観たんですが、思ったより良かったです。おもしろかった。
ただ、原作(というよりケッチャム作品のどれか)を知らないと、どんな意図でこういうことが描かれているのかちょっとわからないでしょうね。原作を知らない方のレビューを読むと、だいたい「(主人公の行動が)意味不明」って書かれてるんですよ。なので、いきなり観ると戸惑うと思います。
私もケッチャム作品を知らなかったら、映画の展開に納得できなかっただろうな。

ケッチャム作品の映像化って正直どうなんだろうな〜って思ってたんですよ。やっぱりどうしても、ケッチャムの作品ではグロさや卑猥さが目立つし、監督がそこに見どころを見出してしまうと、ケッチャムが細々と描いてくれる登場人物の背景が、おざなりにされてしまうかもしれないじゃないですか。そうなると、ケッチャム作品の魅力って薄れてしまうと思うんですよ。
でもこの映画では、(映像なので限界はあるけど)前半部分でそれぞれの登場人物の背景を切り取って見せてくれます。原作を知らない人でも、そこから彼らの価値観やキャラクターを想像して頭の中に入れていける。私も原作を未読だけど、おかげで登場人物のキャラクターを頭の中で作れて、感情移入してラストまで楽しむことができました。
ブーツの中の空き缶、インポテンツ、メイクからはペイの劣等感の強さが伺え(それを作ったであろう環境もケッチャム作品を読んでいれば想像できる)、唐突に爆発する暴力からはペイの中に蓄積された怒りが伺え、シリングの執拗な監視と『キラー』がペイを追い詰めていく様も手に取るようにわかる。
おそらくペイは本人が自覚する以上に、常にいっぱいいっぱいなんでしょうね。


TVMなので有名俳優は少ないですが、『スーパーナチュラル』S3のルビィ役、ケイティ・キャシディがバーガーショップのウェイトレス役で出てます。
ケッチャム本人もバーテン役で出演してました。「コンビーフサンドにポテトがついて5ドル3セント」だったかな?注目してください。



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系 統 キレイ目系
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