スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

痛み



横になった私達、しばらくは何も言葉を交わさなかった。

ゆっくり目を閉じて大きく呼吸をした。

「なんか緊張するな」

島田さんが気まずそうに言った。

「いいの?」

島田さんの問い掛けに小さく頷く。

私に優しくキスをして、島田さんの舌は私の身体を這った。

なんとも思わなかった。少しくすぐったいと思ったけど、気持ちいいなんて感情も無かった。

裸を見られているのに羞恥心さえ無かった。

しばらく島田さんは私の身体のあちこちを触ったり、舐めたりしていた。

「入れるよ?ゆっくり入れるから痛かったら言って。」

「わかった。」

私が答えたと同時に島田さんのモノが私の身体に少しずつ入ってくるのがわかった。

それと共に激痛に襲われる。

「い!いっ‥痛い!死ぬ!うっ‥」

「まだ頭くらいしか入ってないんだけど。笑」

「‥えっ‥‥‥。こんな痛いのに?」

「我慢出来そう?」

「我慢するから、早くっ!」

痛い。本当に裂ける痛みだった。
人そろぞれ、痛みの重さは違うんだろうけど、私の場合は凄い痛みだった。

痛くて苦しくて‥
こんなのが気持ちよくなるなんて、絶対嘘!

必死に痛みに耐えてると、ようやく全て入った。

そして島田さんはゆっくり腰を動かし始める。

「大丈夫?」

「大丈夫じゃない。超痛い‥」

「お前、お産みたいになってるな。笑」

「いっ‥たい。けどもう止めないで。早く痛いの終わらせてね。」
「わかった」

そう言うと島田さんは再び腰を動かし始める。

痛みはどんどん強くなって、耐えるの必死で、私は酷く顔が歪んでいたと思う。

しばらくすると島田さんの妙なうめき声に続いて動きは止まった。

どうやら島田さんはやっと果てたようだ。

まだ下腹部に痛みは残っていたが、やっと終わったと思うとホッとした。

私の初体験はこんな風に、意外とあっけなく、私に大きな衝撃を与え終わった。



現実逃避



一枚一枚、ゆっくり服を脱いでいく。
なるべく時間をかけた。

だけどこれは現実で、夢でも無ければ時間が止まるはずもない。

鏡に映る自分の裸はなんだか情けなく見えた。

シャワーを浴びてる時、何故か涙が出た。

泣くくらいならこんなことしなきゃいいじゃん。

怖いなら島田さんに謝って仕事も辞めて家に帰ればいい。

そう思ったけど、何も出来なかった。

お風呂から上がってバスローブを羽織ってソファーにまた戻った。

「島田さん、コンタクト取りたいんだけど‥」

「ああ、俺容器も液も持ってるから使っていいよ。」

私は視力が凄く悪くて、普段外にいる時はコンタクトをつけていた。

島田さんもコンタクトを使うけど、この日はメガネだった。

島田さんに借りた容器にコンタクトを入れた。

コンタクトを外せば何も見えない。
視界が一気にぼやけた。

それがその時の私の、精一杯の現実逃避だった。

島田さんが何かを話して、声は聞こえるけど顔はよくわからない。
目が合っているのかさえわからなかった。

やがて島田さんもシャワーを浴びて出て来て、私達はベットに入った。

ホテル



ホテルに向かったのはもう朝だった。

島田さんが飲み物や軽い食べ物をドライブスルーで頼んでくれた。

「ありがと。」

「おお。」

それ以外に言葉を交わす事は無かった。

少しして、小さなホテルに着いた。

外観からして汚いし、平日の朝という事もあって他に車も止まっていなかった。

そこは車を止めたすぐ裏に部屋が繋がっており、お金を入れて鍵が出てくる無人のホテルだった。

鍵を開けて部屋に入ろうとすると、すぐ階段に繋がっていて、上に登ると小さい部屋があった。

ソファーとベットと冷蔵庫、それからお風呂とトイレ。

必要最低限の設備しかなく、内装もとてもきれいとは言えなかった。

ラブホテルに入った事も産まれて初めてだった私は、どこもこんなものなんだと思った。

そわそわしながらもとりあえずソファーに座った。

「お前の飲み物と、何か食えるのあったら食えば?」

「ううん、飲み物だけでいい。」

「そっか。お前先風呂入る?」

「うん。」

本当に島田さんとするんだ。
これ夢じゃなくて現実だよね?

ここまで自分で決めて来たはずなのに、急に逃げ出したくなった。

やっぱ怖いよ。

本番



「でさ、お前ほんとに本番やるつもりなの?」

「うん。」

「ひかるとその事で話してたんだけど、やっぱいきなり客はきついべ?」

「うん。」

「したら俺で試してみるか?」

「えっ!?」

島田さん‥
さっきの汚い大人の話のくだりは前フリですか?

ていうかいざそういう話になってくると、なかなか覚悟が決まらなかった。

初めてが島田でいいのか

でも見知らぬお客さんよりは‥

頭の中でぐるぐるぐるぐる思考が絡んでいく。

「そのへんの奴らより俺のがちっちゃいしな。ちょっとずつ慣らした方がいいよ。」

「そりゃ島田さんちっちゃいけど‥」

「今日帰りたくないならホテル行く?一応客としてつくから金も払うけど。」

「‥。」

「まぁ車で寝るのもあれだしな。でもお前が決めな。」

「‥行く。ホテル行く。」

どうでもよかった。
もうどうなってもよかった。

島田さんが相手ならまだ少しはマシだ。

どうせこれからは数え切れないお客さんに抱かれる事になる。

帰る場所なんか私には無い。

汚い大人



島田さんと仕事以外で二人きりになるなんて不思議な感じ(笑)

まだ時間は夜中だったけど、6人も相手にした私はへとへとで仕事は中断。

何故か二人で飲む事になり、紙コップとお酒を買って車に戻った。

島田さんに初めて自分の家庭の事情や、美香に対する気持ち、悩みを打ち明けた。

「お前も大変だよなー。ここで働いてる奴ってさ、みんな愛情に餓えてるんだよね。しかもさ、大概お前らが抱えてる悩みの種を辿ってくと、汚い大人がいるんだよ。」

「‥島田さんもたまには大人みたいな発言するんだね(笑)」

「まぁ、俺も汚い大人の一人だし、俺の事信用したり、いい奴だーなんて思わない方がいいよ。笑」

「思ってないから大丈夫!」

そんな風に島田さんと話しながらどんどん時間は過ぎていった。
前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2024年05月 >>
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
カテゴリー