会社の帰りに
後ろ姿と歩き方が
そっくりな人を見つけた


案外足が長くて

姿勢は良いくせに
ゆっくりゆっくり歩く

顔は少し上を向いていて
ふいに横を見たりする


そんな一つ一つを
鮮明に覚えているよ

全然知らないひとに
あの頃の君を重ねてしまって
また泣きそうになるあたしは
いつまで君を想うのだろう


会えない事実と
会いたい気持ちは
決して交わることもなく
ただただきれいに
平行線へと伸び続ける

そんな日々に
斜線を入れてくれるのは
おそらく君じゃなくて


期待を捨てたくて
捨てきれなくて


こうしている間にも
見えない距離は
どんどんどんどん広がって

君はまた遠くなる


そしていつかほんとに
見えなくなって

君を求めなくなるのだろうか


それとも変わらず
届かないことを知りながら

手を伸ばし続けるのだろうか



どちらにせよ

あたしは

君を 、




話題:忘れられない人