前の記事にチラ見させといた『ちょっとした所用』について書き残そうかと思いますこんな夜更けに(笑)
オレが折りを見て行っている片付けはシンプルに身軽に過ごす為の不用品の処分の他にもうひとつあります。
それは昨年旅立った母の遺品の整理。
これは本当にモノが多すぎてちまちまとやるしかないんですが先日、母が大切にしていた裁縫箱から画像の鋏が出てきました。
裁ち鋏かな?と思いましたが、それはもうひとつ一緒に収められていて、こちらは切れ味バツグン。
しかし画像のヤツは生地を裁断する気が全く無いようで暖簾に腕押し糠に釘。
それじゃ紙類は切れるだろうと古紙で試してみたが持ち味を発揮するのは刃先3〜4センチの範囲まで。
もっと長く切ろうと古紙を根本から噛ませるも刃と刃の間に巻き込んでしまい話にならない。
これは様子がおかしい。
どっからどー見てもそこら辺のショボい鋏とは違う確かなモノなハズだが。
こーなったら餅は餅屋、専門のプロに相談しようと街にある刃物専門店に持ち込んできました。
店の主によるとこれはやはり裁ち鋏だそうで、しかも左用とのこと。
そして刃の根本辺りで切れないのは鋭利さが弱くなっているのに加えほんの、ホントにほんの僅かだが刃に歪みがあるからだと。
それじゃあコイツを本来の切れ味になるようにして下さいとゆーには問題がふたつあった。
ひとつは、二本の刃が交差する支点の固定の方法だ。
普通ならいわゆるナットとボルトみたく締めて、イザとなればバラすことも容易なんだがコレはリベットのようにカシメてある。
つまりバラせない。
プロの職人が鋏を研ぐ際には両方の刃をバラし、一本ずつ丁寧に仕上げるんだそうだ。
ところがこの鋏では確かな研ぎが出来ない。
そしてもうひとつ。
世に多く出回っている(ちゃんとした確かな造りの)鋏の材質は鋼と鉄を合わせることでしなやかさを持たせている。
それがコイツは鋼100%で造られているが故にメチャメチャ固く、歪みの修正が効かないとゆーのだ。
でもなんとかしましょうと主は言ってくれた。
もしオレがこの鋏を使ってプロの仕事をしているのであればお断りするとこだと。
それはオレが日常生活の中で使う程度であるからとゆーのと、母の形見だからとゆーことを汲んでくれたのかもしれない。
出来るだけの手入れをしてくださり、試し切りもしてオレにはもう十分だった。
それなのに『お代は結構です。』
おふくろさん。
ありがたいことだよね。
この鋏、まだまだ使えるよー
オレ、こないだドイツのヘンケルスの鋏買ったけどこの鋏もガシガシ使わせて貰うわ。
それにしてもおふくろさん。
何で左用を持ってるの?
おふくろさんは右利きやんか(笑)