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こんなことってありですか?A



3z、兄弟土銀(前回の続き まだ完結しません)
あーゆーおk? ^p^



















【こんなことってありですか?A】




「はぁ〜っ・・・」

盛大に溜息を吐いて土方は父親に再婚の意思があることを打ち明けられた三日前の事を思い出していた。
土方が相手の女に会うと約束したあの日以降土方の父はその相手についていっさい何も話してこない。
相手は何歳なのか、どんな仕事をしているのか、見た目はどんんなのか・・・。
ただ、あの日話を終えて部屋に戻ろうとした土方を呼び止めて、
「再婚したらお前に兄貴ができるから・・・」
とだけ言った。

「はぁ〜っ・・・」
もう一度土方は大きなため息を吐く。
(兄貴って・・・んなもん今日から兄弟ですっていわれてなれるかよ・・・)
この三日間そればっかりだ。
父親の再婚相手になるかもしれない女ももちろん気になる。
自分が父親にふさわしいかその女を判断してやろうって考えも変わっちゃいない。
でも、あの日父親に呼びとめられてから兄貴になるかもしれない奴が気になってしょうがなかった。
そして今日の晩にそいつに会うとなるとなおさら・・・。

「いったいどんな人なんでしょうねィ」

「あぁ・・いったいどんな野郎なっておいぃ!総悟人の思考を勝手に読んでんじゃねー!」

突然後ろの席の沖田に自分がいま思っていたことをズバリ口に出され、動揺して思わず土方は沖田の頭を叩いた。

「いってぇな土方コノヤロー!俺は産休の結野先生の代わりに今日からくる新しい担任のことを言ったんでィ・・・土方さんはいったい何処の誰のことを考えていたんですかねィ(ニヤリ)」

黒笑をする沖田にしまったと思った時には時すでに遅し、どこからかこのドS王子はスピーカーを取り出しクラス中に

「土方さんに思い人ができたらしいですぜィ」

とふれまわった。

「ちっげぇえええ!」

土方の静止の声も届かず、それを聞いたクラスメイトは口ぐちに騒ぎ立てはじめる。

「トシーやっとお前にも俺のお妙さんのようなすばアベシッッ!!」

「誰がテメーのだって?この腐れゴリラが!ケツにリコーダーブっさされてーのか?アン?」

ゴリラや、

「やだー土方くん好きな人できたってほんとぉ?私のがぜったい土方くんにあってるわよぉ?」

「ちょっとハム子鏡見てきなさいよ!土方くんには私がお似合いよ!」

「はぁー?あんたなんかより!!」

女子共、

「土方お前がまさか肉球好きだったとわなッハッハッハ!共に肉球同好会を開こうではないか!」

コイツに至っては何の話をしているかも分らない。

極めつけにはあの問題児そろばん晋ちゃんの異名を持つ高杉までが懐からそろばんを取り出しかき鳴らし始める始末。
それにつかざず河上が「晋助のそろばんにはのれないでござる。」
とえ?それツッコミ?というツッコミをいれる。
クラス中がもはや土方のことについて話しているのかは謎だがワイワイガヤガヤと騒ぎ立てる。
その中で今まで「ちげぇよ」とか「うるせー」とか言っていた土方が「もうめんどくせー」と諦めかけたとき、


ガラッ


それは目を見張るような銀髪だった。


「ギャーギャーギャーギャーうるせぇんだよ!発情期ですかコノヤロー!!」


男の声で無法地帯だった教室はシンと静まり返る。

「テメェらガキの癖にいっちょまえに発情しやがって!これだから最近の子はゆとり世代だなんだのって騒ぎ立てられるんだよ!」

その男は強気な言葉や態度とは反対に見とれるくらいに奇麗だった。
キラキラ光る銀髪に、ネクタイの緩められたシャツからは白い肌が見えている。
縁のない眼鏡の奥には若干垂れた赤い目が二つ。
煙草をくわえた口元は、なにもつけていないだろうに奇麗な色をしている。

(えらく奇麗な男だ。歳もたいして俺達と変わらないように見える。校内でたばこなんて銜えやがって、それに、クラス中を一瞬で黙らせやがって何者だコイツ・・・。)

土方が考えていると後ろにいた沖田がこそっと「土方さん・・」と耳打ちしてきた。

「土方さん、コイツぁ怪しい野郎でさァ」

「あぁ・・わかってる」

「てめぇ・・誰だ?」

一歩一歩近づきながら土方が銀髪の男に問う。

「は?何?」

銀髪の男はキョトンとした顔になった。

「不審者か?それとも変質者か?とりあえず教師よぶオベシ!!!」

ジリジリと男に詰め寄っていた土方に男の鉄拳が食い込んだ。

「ってめぇえええ!何すんだ!」

叫ぶ土方が目を上げると目の前に銀髪。
そして、


「担任の坂田銀八でーす。今日からよろしくね多串くん。」


にんまりと笑って男はそう言った。



・・・。


え・・・。
うそだろぉおお!!つーか多串ってだれだぁああ!








(つづく)


















まだまだ続きますw
作者は高杉にそろばんを掻きならさせたかっただけです(ぇw
今回の以前にも増したgdgd感申し訳ないですorz
読んでくれてありがとうござうましうー!w


こんなことってありですか?


3z、兄弟土銀 

おk?

















【こんなことってありですか?】




「トシ、父さん再婚しようと思ってるんだ。」


頬をほんのり赤くしてそう言った親父に俺は何も言えなかった。

親父は俺が物心つく前から16年間男手一つで俺を育ててくれた。
母親のいない俺が辛い思いをしないようにと、何よりも俺のことを考え、仕事に俺の飯の準備にと休む暇なく頑張っていた親父を俺は知っている。
俺が寂しい思いをしないようにと運動会や部活の大会にはいつになっても下手くそな弁当を引っ下げて親父はいつも来てくれた。
自分のことは何もかも犠牲にして、俺を育ててくれた親父が愛する人を見つけて、自分の幸せをつかもうとしている。
もちろん祝福したい、親父よかったなって笑って祝福してやるべきなんだろう。
でも、俺は心からそう言ってやることが出来ないでいた。


俺の母親は俺が生まれるとすぐ親父に何も告げず姿を消した。
それなのに親父はずっと母親の帰りを待っていた。
子供のころ夜中に目を覚まし、そっと部屋をのぞくとソファにうなだれた親父がぼんやりと母親の写真を見つめていることがあった。
俺が駄々をこねると親父はまるで自分に言い聞かすみたいに「もうすぐ母さんが帰ってくるから笑ってような?」と言った。
だけど、結局16年間母親は帰ってくるどころか、連絡ひとつ俺たちに寄こすことはなかった。
そして、俺はいつからだろうそんな母親を心底憎んだ。
愛情深く優しい父親をほっぽってのうのうと生きている母親がどうしても許せなかった。
母親だけじゃない。俺は女が信用できなくなっていた。
高校に上がり、放課後呼び出される回数が増えようとも、学校一の美人に思いを告げられようとも、俺は恋愛事にどうしても興味がもてなかった。
だから、俺は親父を祝福してやることができない。
頬を赤らめ幸せそうに笑う親父を見ているとほんとに祝福したいと思う反面、親父がまた母親の時のように傷ついたらと思ってしまうのだ。


「トシはやっぱ反対なんだろ?」

哀しそうに親父は眉間の皺を深くする。最近親父はずいぶんと皺が増えた。
あんなに真っ黒だった髪にもポツリポツリと白髪が混ざりこんでいる。

「い、いやそんなことねぇよ」

とっさに出した言葉は思ってたより大きくて、一瞬親父は驚いた顔をしたが、次の瞬間には心底幸せそうに笑った。

「ほんとか!じゃあ今度相手の人に会ってほしいんだが」

ほんとはまだ親父の再婚に賛成できない自分がいる。でも、親父が自分の幸せを見つけたなら、仕方ねぇ、俺がその女に会って親父を幸せにできるかどうか判断してやる。
「わかった、会う。」と言うと、親父はまた幸せそうに笑った。


俺はまだこの親父の再婚が俺の人生を大きく変えるとは知らなかったんだ。




(続く)













つづきます。
結構長くなるかもですがお付き合いください

読んでくれてありがとうございまうー!ww
銀さんでなくてごめんなさいw次回でますw



2010.6.14


小説更新 土銀←山で「a black wall」

昔のサイトの小説を若干改訂して載せたものです。
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