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英語で10の御題(捏ねた)

01 The Engage Ring
愛します。すべてを。
そんな誓いを、形にした。
(君に、)

02 My Lord
「って、言われてみたい?」
「誰にだい?」
「んふー、ソフィとかぁ」
「……言ってくれと言えば、言うのだろうけど」
「ふんふん」
「やっぱり、名前で呼ばれる方が嬉しいな」
(技術者と王子)

03 Fly No More
怖いの。
だから、手を、離さないで。
私が守るから、みんなと一緒にいましょう?
(待っていた少女)

04 So Long
愛していたのです。
貴方の愛が、欲しくて欲しくて仕方がなかった。
両足の動かない私は、追い掛けることすらできない。
徐々に離れていく距離が歯痒くて、だから、私は目を閉じて、貴方を突き落としたのです。
(もう、苦しい想いなんてしたくない)

05 The Boundary between...
一人にして(独りにしないで)
嫌いなんだ(好きなんだよ)
殺してやる(裏切らないで)
(小さな王様)

06 Lyrics for You(君のためのうた)
両親に捨てられた。利用された。
新しい「家」に、あの春のような暖かな風は吹いていない。のしあがるため、手段を選ばない冷たい場所だった。砂漠の国なのに、少しも暑くない。
でも、それで調度よかった。信じるより、疑う方が楽だし、それが出世へと繋がった。何よりも、風車の地を思い出さずに済んだ。心が狭く感じても、痛くも痒くもない。
「こっちへこい」
父の言葉に温もりはない。
大人しく従えば、処世術について永遠と語る。適当に相槌をうち、聞き流していると、呆れた眼差しを向けられる。
話を聞いていないな。
「まぁ、お前に説いたところで、いらない説教かもしれんな」
「用がないのなら僕はこれで」
立ち去ろうとすれば、父は態とらしい声をだす。そういえば。
「聞いたぞ。また出世したそうだな。大尉であったから、少佐か」
貴方のためではない。ラントのためだ。吐き捨てるように胸中で叫んだ。いや、叫ぼうとした。
頭に軽い重み。父から伸びた腕。彼の手は、頭の上に乗せられている。情況が呑み込めず、ポカンとしていると、一撫で。雑な仕種だ。頬が火照る。馴れないことをされているからだ。そう自分に言い聞かせる。
「流石、俺の息子だ」
父の言葉に、目が痛んだ。
(繋がりのない親子)(でも愛はあった)

07The Blooming of Love Luxury
やっぱり、笑っていて欲しい。
時々「信じらんない!」と怒って、そして、その分、誰かを慈しんで欲しい。
その姿が、一番らしくて、好きなんだ。
(領主)(恋という言葉をしらない青年)

08 To the Last Drop
泣いていいよ。
私がね、抱き締めてあげるから。
(少女)

09 Chicken-and-Egg
どちらにも生と死が待っている。
(それでも、死にたくない)

10 Ex Lover
「目標ができた」
「目標?」
「そうだ。カーツに負けないってな」
「勝負、してたの?」
「ああ。してる。愛しの女を取られないようにしないといけないからな」
「?……教官、かっこいいね?」
(無垢へ立てる誓い)



配布元:SNOW STORM

英語で10の御題(捏ネタ)

01 blind kiss
なかなか触れられない。時々、もどかしくかすって、でも、それだけで嬉しいの。私の心に貴方が気づいてくれたような気がして。
(恋する少女)

02 eternal illiteracy
綺麗を知るということは、同時に汚いを知る。汚いものはよくないからと、僕は全てを壊すことにした。
(単純で純粋な思考)

03 bloody dressing
守った証。
奪った証。
(滲む赤も)(領主)

04 faily tale
夢の中で、あなたを抱きしめるわ。
(嘘だと、思う?)(愛し、死んだ女)

05 to hate this apparatus
人として生きたかった。
叫んで、笑うことができる。
傷つけられれば、痛いし、血も涙もでるというのに。
どうして、人間になれないのだろう。
(寄生体)

06 I did love you
「そして、今、この時から、またあなたを愛します!」
「え?誰が、誰を?」
「〜っ! 僕がっ! あなたをっ!」
(一世一代の告白)

07 the sky
たゆたう。
ほら、私はね、お花と一緒に、いるんだよ。
(小さい子)

08 shutter
「もう少しさぁ、ダイレクトにいってもいいと思うんだよねぇ」
「同感だな。だが、それはそれで楽しいのだから仕方あるまい」
「まあね〜」
(見守る人たち)

09 only my honey
「お前たちが来ると、殿下は大変お慶びになる」
初老の男は言った。安堵しているような、苛立っているような、複雑な声音だ。
意図を図りかねて「はぁ」と間抜けな声が出た。ソフィも首を傾げている。
「殿下はな、一生をこのバロニア城でお過ごしになるおつもりだ」
「……何か、問題でも?」
「山積みだ。未だ、宮廷内部の争いは耐えん。殿下を玉座から引き摺りおろそうという輩もおる」
その声は悲しみにみちていた。翳る瞳の奥にあるのは、どこか父に似ていた。
親心というやつだろうか。
「……殿下を生きて連れ帰ってくれたお前たちには感謝している。だがな、今は、落胆しているのだよ」
あのまま連れ帰らずに、殿下をリチャードにしてくれるのではないかと、期待していた。お前ならと、思っていた。
デールの言葉に、なんと返せばいいのか分からず、ただ「すみません」と謝る自分を殺してしまいたくなった。
(国に蝕まれる)(それが罰)

10think, sink, think
そして、諦めた。
(足を止めた人)




配布元:SNOW STORM
wtd.b.to

荒れて。好きになって(リチャソフィ)

※書き散らし


灼熱の太陽もない。極寒の風が吹くわけでもない。緑に覆われたここが、一番美しいと、リチャードは思った。
穏やかな陽光、爽やかな風。清らかな水に、豊かな土地。
「僕は、ウインドルという国が好きだ」
心からの言葉だ。嘘偽りではない。
この国は本当に恵まれている。輝石だってたくさんとれる。全ての原素の集まる場所だってある。魔物だってたいしたことはない。だから家畜だって飼える。
「でも、嫌いでもあるんだ」
「どうして?」
藤色の髪を揺らしてソフィは訊いた。好きなのに、嫌いなの?
きょとんと首を傾げる姿に、リチャードは苦笑した。
この国は美しい。豊かだ。
だから、この国の人たちは、自然に対しての努力をやめてしまった。
水を蓄える方法も、暖を求めることもない。必要がないのだ。
だから、この国には団結力がない。人と人の間には溝があり、壁がある。個々の幸せを求め始め、いつしか、同じ国の者同士で争うようになった。
豊かだから、革命なんてものは身内同士の争いで、民はただ傍観するのみだ。
もし、ここが砂漠だったり雪に閉ざされた場所だったなら、国民はよりよい生活を求めて決起し、王制なんかとうに消えてしまっていただろうに。
「ここは、つまらないからね」
そう?私は好きだよ。
本当に不思議そうな声だった。
「リチャードは、ウインドルが嫌いなの?」
「どうだろう」
「……お花、嫌い?」
「嫌いではないよ」
「蝶々は?好き?」
「そうだね。どちらかといえば」
「じゃあ、アスベルは?私のことも……嫌い?」
小さな口が紡ぐ言葉に、一瞬だけ目を見張る。どうして、そんな考えにいたるんだ。
「嫌いなわけ、ないよ。好きに決まっているじゃないか」
慌てて返した。なぜ、こんなに焦ってしまうのだろう。
嫌いになる筈がない。
アスベルたちが嫌いだからここが嫌いと言うわけではないのだ。自分を血塗れの玉座に縛り付けるこの国のあり方が嫌なんだ。なのに、言い訳染みた想いに、違うと否定したくなる。何度も差し伸べられた手を、振りほどいてきたのは自分なのに。いや、振りほどいたからこそ、互いに互いを嫌いになってしまったと思っていた。
嫌いじゃない。好きだ。だから、好かれたい。一方通行ばかりの想いは、もう、疲れたんだ。
「よかった」
ソフィは微笑った。
「君は、僕のこと……」
嫌いではないのか。
そう聞こうとして、口を閉ざした。果たして、答えを聞く覚悟があるのか。そう思うと、恐くなってしまう。
私はね。真っ直ぐにリチャードの目を見つめて、ソフィは言う。
「リチャードが好きだよ。アスベルもシェリアも好き。だから、ね、リチャード。私はウインドルが好きなんだよ」
だから、よかった。
「リチャードも、ウインドルが好きなんだね」

僕に証をください(リチャソフィ)

死んだ、と聞いたとき、あまり実感がわかなかった。
これも嘘なんだ。そう、思った。
王宮内は嘘で溢れかえっている。きっと、僕を陥れようとした誰かが、僕と彼女が親しいと知ってついた嘘だ。
だって、僕はみていない。地下通路にはアスベルたちがいたけれど、彼女の姿はどこにもなかった。きっと、助けを求めに出ていったのだろう。
それに、アスベルから直接聞いたわけでもない。彼は正直者だし、何かあれば教えてくれる筈だ。だって、僕たちは友達なのだから。
なのに、周りは「死んだ、死んだ」とばかり言う。
だから、またあの場所で再会したとき、多少驚きこそすれど、彼女がいることに違和感はなかった。
ほらやっぱり、嘘つきたちの戯れ言だったんだ。彼女はちゃんと、ここにいるではないか。
「触れないというのは、案外やっかいなものなんだね」
時々、不安になる。
目で確認し、耳でその声を聞き、そして、確かに隣に立っているというのに。
触ることができない。
いや、やろうと思えばできるのだろうが、そうしようとすると、今まで感じたことのない悪寒と不快感に見舞われ、一瞬だけ理性を失ってしまう。
「触るな!」「近づくな!」なんて、言いたくもない言葉が溢れでる。そのたびに彼女の顔を曇らせ、僕は僕を疑う。
そして、不安になってしまう。彼女は7年前とは別の人なのではないか、と。
ここにいると、いくら言い聞かせても、触れられないなら実証にはならない。
幽霊みたいだ。
「馬鹿な」
自嘲。木に凭れかかりながら、鼻で笑って自分を罵った。そんな馬鹿な話なんてありえない。どうかしている。
「リチャード」
控え目な声が、僕を呼ぶ。7年前と同じ音色。違う声音。
そうさせてしまったのは、僕だ。
「やぁ、ソフィ。どうしたんだい?」
努めて明るく振る舞う。
そうすれば、ほら、彼女は安心しきった顔をしてくれる。友達にみせる顔をみせてくれる。
本当なら、僕だって彼女と同じ表情で迎えるのに。
「アスベルが呼んでたよ。ご飯出来たんだって」
そう言って、こちらに向かってくる。
食事の好きな彼女にとって至福の時間。あんなに嬉しそうに笑うのだから。よっぽどなのだろう。
つられて、笑う。ようやく表れた、本当の笑顔。
けれど、動いてしまった。無意識に、右足が後退る。しまった、と思った。
彼女は他人の気持ちには少々鈍いが、動作については目敏い。
案の定、立ち止まって、僕の足元を見つめたまま表情を曇らせてしまった。
違う。昔のように笑っていて欲しいだけなのに。
「……そ、そうか。今日はなんだろうね」
適当な言葉を言って、彼女の横を通り過ぎる。困らせたくない。溝を作りたくない。友達なのだ。今、ここにいる。自分にとって大切なものだ。
かたくなった足を動かすのには、かなり苦労したが、それでも前へ進む。
翳りのある顔をみたくない。それだけだ。
謝りもせず、言い訳もせず、僕は彼女を置いて逃げ出す。あぁ、これでは宮廷内の大人たちと変わらないではないか。
くん、と肩がひきつった。
後ろを振り返れば、俯いたままの彼女が、僕のマントを握っていた。
「ねえ、これも、嫌?」
恐る恐る、上目遣いで訊ねられる。
直接触れようとしているわけではないから、不快感はない。
嫌じゃいよ。そう言うと、浮かぶ満面の笑み。あぁ、そうだ。この笑顔だ。僕が見たかったものは。7年も待ち望み、死んだ、と聞かされるたびに思い浮かべたものだ。
それが、今、ここにあるではないか。
「じゃあ、このまま、行こう?」
「……そうだね。そうしようか」
彼女がマントを引っ張る重みが、何よりもの証。
やっと、確かめられた。
彼女は、生きて、僕の後ろにいるじゃないか。

END

一緒にみよう(リチャソフィ)

※ED後の考察設定。リチャードとソフィはグレルサイドにいます。


両手を出して、と言われるまま、ゆるりと差し出せば、優しく乗せられる小さな手。
互いに手袋をしていて、触れている感触しか伝わらない。人としての温もりを感じていたくて、思わずぎゅっと握りしめる。
すると、彼女はきょとんとした顔で「どうしたの?」と小首を傾げた。
それに多少の焦りを感じて、握っていた彼女の手を解放する。
微かに感じた柔らかな感触が去っていき、代わりに残ったのはコロンとした重み。
手袋と同色で最初はよくわからなかったが、黒い、親指ほどの種が二つ。
「これは?」
「ナイトリリーっていうんだよ」
そう言って綻ぶ彼女に思わず笑みがもれる。
「バロニアで見つけたの。シェリアの花壇で育てて、綺麗な花が咲いたよ」
「そうか。ソフィが育てたんだから、きっと優しくて、美しい花だったんだろうね」
「うん」
結んだ髪を揺らして微笑む彼女の頭を、つい撫でてしまう。
本当に、綺麗だったよ。
言葉が過去形で終わっているということは、もう花は散ってしまったのだろう。少し、残念な気持ちになり、誤魔化すように、何度も彼女の頭を撫で続ける。
ナイトリリーは、名前だけ知っていた。時々、メイドが持ってきて、飾っている。けれど、何種類もの花が生けられた花瓶ではどれがそれなのか知ることができない。
王宮内でのいざこざで、少しでも心を癒されますようにと、メイドは甲斐甲斐しく世話をやいていたが、それを眺める余裕も、あの頃は無かった。
「綺麗に咲いたから、アスベルとシェリアにあげたの。そうしたら、喜んでくれたよ。アスベルは窓際に飾ってくれて、シェリアは押し花にしてくれるんだって」
楽しみだね。嬉しそうに笑って彼女は言った。
「そうだね」と返したけれど、ちゃんと笑って言えただろうか。
少し、寂しいかった。切なくて、胸に淀みが生まれた。
撫でていた手を、静かにおろす。感触が微かに残っていて、強く握りしめた。
知らない花を、三人で囲んで微笑んでる姿を想像する。その光景が羨ましく感じた。その中に交じって、共に笑い、賞賛の言葉を送りたかった。
「ねえ、リチャード」
彼女の手が、再び重なった。手袋をしていてよかった。きっと今、指先は冷たくなっているに違いない。彼女に冷たい思いをさせずに済んだ。
「二人で、育てよう」
柔らかな声。聞くだけで胸の中の淀みは引いていく。あぁ、君は声まで澄んでいるんだね。
「ナイトリリーを?」
「うん。一緒に育てて、アスベルたちに見せよう」
「でも、僕は植物を育てたことなんてないよ」
「大丈夫。簡単には枯れないよ。私の子供だから」
「……子供?」
うん、子供だよ。
彼女は笑った。幸せそうに、目を細めて、綺麗に笑う。
今は、それだけでいい。こうして、彼女につられて笑えるくらいがちょうどいい。
いつか、自然と声をあげて笑えるようになるまで。あの明るい輪の中に、うまく溶け込めるように。
「じゃあ、名前をつけてあげないと」
「名前?」
「君の、子供なんだろう?」
そういうと、彼女は顔を綻ばせた。
よかった、と安心する。まだ、誰かをこんな顔にさせることができる。
彼女の手を種ごと握りしめてみると、布越しでも確かに温もりを感じとることができた。
「ナイトリリーの次は、ナノハナを育てよう」
「それはどこで見つけたんだい?」
「ここだよ」
そっと握り返される手に導かれるように、外へ出た。


END
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