ALI PROJECTの眠れる城聴きながらこんなん考えてた。
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─王族は王族としか結婚できないんだぞ。
そう言われたのはいつのことだっただろう。
彼女といることが当たり前で、お互いの一番がお互いであった頃、彼女を自分だけのものにできると信じていた。
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跪き、頭を下げると剣をかざされる。
「レイン・アッシュハルト。」
「は」
「その命、私に捧げてくれますか?」
「この身体、この命、私の持つ全てのものは一つの例外もなく姫様のものです」
「では、この剣をおさめなさい。その瞬間から貴方は私の騎士です」
「イエス、マイロード」
そして俺は姫様の騎士となった。
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「姫様!姫様!」
珍しく焦ったレインの声が聞こえる。だけど、それに応えることは出来なかった。
「しっかりなさって下さい、姫様!」
体が熱くて、自分の身体のはずなのに指一本動かせない。私はどうしたのだろうか。
すると急に体がふわりと浮き上がった。否、抱き上げられたのだろう。誰に、というのは分かりきったことだった。なんとか重いまぶたを開くと、いつも冷静であった表情が動揺に歪んでいた。
「レ…イン」
「姫様!直ぐに医師の所へお連れしますから!」
私を抱く腕はこんなに力強かったのか、と場違いなことを考えながら再び瞳を閉じた。もう2人とも子供ではないのだと今更ながら気付かされた。
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「今、王族の中で女なのは貴女けです。必然的に貴女は次の皇帝の妻となるでしょう」
「だけど、一つだけそうならずにすむ方法があります」
「貴女が皇帝になるのです」
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「お兄様から皇帝の座を奪ったときから、覚悟はできていました」
─私は、私の望みのために死ぬと
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「姫様…?」
硝子の箱に寝かされた姫様は白い花に囲まれて、穏やかに瞳を閉じていた。胸の前で組まれた手は、指先まで白い。紅をのせているのか頬の赤みだけがやけに目立っていた。
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どうやっても悲恋ですありがとうございます。
お姫様と騎士のお話。最後には2人とも死んじゃう。私が悲恋書くとか珍しいな。