真夜中にすみません、お久しぶりですこんばんは、望です(O_O)
生きてますが体調崩してます;;
しかし相変わらず進撃に首ったけなのですが!
今さっきぺぺっと初めて進撃で文章打ったのでもってきてみました
好きなんだけどかけないんだよな…なんなんだろう。
とりあえずかいてみてしっくりきたりするのかな?
最初はそんなもんかなあ
自分の書いた文章でぴたりときたのは土沖だろうか。1番書きやすかったし、読み返しても読みやすいと思う
あリョ海じゃなくてすみません
進撃のエレリですエレリ
いやエレ→リです^ ^;
ちょっとまだ自分の中でエレンも兵長も消化できてない。まだ一人歩きしてくれないのでうまく動いてくれない
書きにくいです;;
でも好きです(^ω^)
そしてエンブロさんほんと書きにくい
日記かえたいけど、日記仕様が悪いんじゃなくてiPhoneさんが悪いのでなんとも…
いやしかし上部に広告いつの間にか入ってんじゃん
ちょっといじってどうにかならないかな
2013-11-27 03:06
「心の行方」エレリ
指先のステップから、掌の抱擁。
その目にたたえた海の雫が
漣の様に寄せては返す記憶と成って
どうか、貴方に届きますように
と、願った想いは、突きつけられた鋭利な牙に引き裂かれ、
爪先にくちづけを。
ワン、ツー、スリー、
ワン、ツー、スリー、
逸脱を放って石畳みの廊下を歩く音が響く。それが誰のものであるのか分かる様に成ったのはつい最近だった。それまで、耳に入ってくる鳥の囀りや、誰かが話す声、はたまた雨音等と同じで、エレンの耳から通り過ぎていたというのに
近づいてくるその足音はどちらかといえば速い方だ。カツカツと硬質な石と兵団に支給されたブーツの靴底が衝突して廊下に響き渡る
金色に光る双眼をそっと綴じて、エレンは響く足音に耳を傾けた
音楽を聞いているかの様に、そっと意識をそちらにやる。うつくしい音色にうっとりとしているかの様に
足音は近づいて来ている。ここに、エレンの元にやって来るに違いない。腹が空いたみたいに、エレンは無意識に腹を撫でて、吐露しそうな熱い溜め息を飲み込んだ
エレンがこの古城に来て、地下室での寝起きを余儀無くされて幾日が過ぎただろうか。自分を見張る為に充てがわれた4人の精鋭兵士達と何気無い会話を交わし、何気無い心のやり取りをし、深い仲間意識と共に、過ごす日々の温かさにエレンの魂が穏やかになりつつある程に変化があった
人は過ごした時間が長ければ長い程…という気は更々無かったエレンだったが、まさかこんなにも短期間で4人との距離を縮める事が出来るとは思っていなかった
静かで、人見知りをする質では無いと自我を理解していたが、自分を監視し、最悪の事態には命すら殺がれるというのに
その変化をしかし、エレンはすんなりと受け入れ歓迎した
困惑したのはそれよりも、その精鋭兵士達を取り纏める兵士長であるリヴァイ兵長の事柄だった
物心ついた時から憧れ、憧れ、憧れて止まなかった。渇望の眼差しを向けたその人は余りにエレンにとって強烈で青天の霹靂で、何と言葉に言い表せばいいのかわからない程に、打ちのめされた
呼ばれる名等、最初はなくて苛々とした。クソガキ呼ばわりされ、分厚めの唇を噛み締めた時もあった。今では名前を呼んでくれるものの、クソガキはそのまま板に引っ付いたままだ
初めて名を呼ばれた時、人類に捧げた心臓がきっと多分自分に戻ってきた。戻ってきてはいけないのに、まだ巨人を駆逐出来てないのに、のたうち回るには十分な理由で、エレンは自分の心臓に初めて拒否をした
地下室で寝起きをする事柄と共に、兵士長自ら夜はエレンの元を訪れ、鍵を掛けるわけでもないのに様子見に彼は顔を出した。一日中エレンを監視しなければならないものの、ずっと自分が見張れるわけも無く、精鋭兵であるペトラやオルオ達リヴァイ班に任せる時間も多くある為に、一日の最後は自分が責任を以って終わらせると彼は無表情で言った。それはこの古城に来て二日目の夜だった
返ってきてはいけない心臓を左胸に納めて仕舞い、エレンは狼狽えた。ただ、憧れの兵士長に名を呼ばれただけというのに
そこから毎夜やってくる彼にその心臓がじりじりと焦がされて熱く、時にはじゅくじゅくと煮え滾るのを抱えて何度も拒絶した
しても、しても、何度拒絶したとしても、心臓は叫ぶのを止めない
リヴァイ兵長が近づけば近づくだけ、遠退けば遠退くだけ、心臓は彼に従順と反応した
一番危うく口から飛び出そうになつたのは数日前だ
何時もと変わらず夜、就寝前にリヴァイ兵長がエレンの様子見に地下を訪れた時。一言二言交わしたら業務終了とばかりに直ぐ地上へと帰って行くのに、その日は何故かたまたま目敏く彼に衣服の注意を受けた。いつも思っていたのだが、と前置きしてまで兵士長の彼が言いたかった事は、寝間着が汚いというなんともなんともな注意だった。寝間着ぐらいどうでもいいと返せば、眉間に皺を寄せて何日替えてないかと聞かれて漏れ出た声はただの音だった。ほらみろ。と浅く溜め息を吐き出した彼に、毎日替えろと注意を受けた
臭いますか?と詫びを入れればバツの悪そうな表情となり、こどもの様に首を左右に振って
俺が嫌なだけだ、気にするな、悪かった。
と、そう零した時、無表情しか見た事がなかったのに申し訳なさそうな顔をしたものだから、エレンの口から心臓が飛び出しかかった
すとん、とエレンは思った。いや、気付いた。彼は無表情なんかじゃなくて、薄いだけで凄く案外顔に出るんじゃないかと
気付いてからは事細かな表情を盗み見るのが楽しくなり、専ら険しい表情が殆どだったが、気の抜けた表情を垣間見た時はエレンの口から好きだと心臓が溢れ出していて咄嗟に両手で唇を覆った
溢れ出した心臓を耳にして、自分で自分が信じられなかった。頭で考えるのは苦手で、行動が先を行き後から頭がついて来るなんて日常茶飯事だっただけに、言葉が先に出てから頭が理解して、今までなんとか拒絶していた心臓を受け容れる羽目になった
受け容れてからはもう、何とも言えない状況で、エレンは坂道を転がり落ちる石っころの気分だ
コツコツと今日も相も変わらずエレンのいる地下室に向かって来る兵士長を迎える為に、エレンはベッドに腰掛けて目を綴じ、近付いてくる彼の旋律に心臓を高鳴らせている
今日は訓練も上手くいき、巨人の研究をするハンジと話しもして、訓練と並行して行っている掃除も上手くいった。食事当番はエレンではなくリヴァイ班のグンタだったのだが後片付けはエレンが自ら率先してやった
特に際立った話題になるような事はないなとエレンは項垂れ、一言二言で帰っていってしまうだろうと少し萎む
どうにか、彼をここに引きつけておきたくて、話題を考えるも、歳も離れたしかも上司に話す内容が浮かばない。もう少し自分が博識だったならば、もう少し自分が人懐っこく話しが上手ければ、彼の気を引けたのにと思うと落ち着かなかった
音を耳で拾いながら、じっとそんな、彼との業務みたいな会話を待ち侘びる。誰だ?これは。とエレンは苦笑する
巨人を駆逐する。駆逐、駆逐、駆逐。それしか頭に無かったエレン・イェーガーは何処にいった?
地下室でたった1人の同性の上司を、心臓を高鳴らせて待つだなんて
そもそも、ここにあってはならない心臓が何故ここにあるのか。苦笑したってし切れない。これが生きる業であるのか
エレンは受け容れた心臓の在り処をシャツの上から握り締めて口を尖らせた
足音の旋律が直ぐそこまで来た。もう少し、あと少しと心臓が煩く成ったところで、エレンは名案を思いつき、金色に光る双眼を開いて、ゆっくりと現れたかのひとをその脳裏に焼き付けた
「アンタに心臓捧げればいいのか」
「…………あぁ?」
思いついた名案がまた、口から零れ落ちて相手に伝わって仕舞い、終う
ああ、やってしまったとエレンは目を見開いて慌てふためいた
いや、あの、と口にしても、人を殺しそうな威圧の入った彼の眼力から逃れられない。刺さるそれさえ、越えたエレンにとってはなんとなく嬉しい物であるのだが、如何せん足が出てきて仕舞えばエレンも無傷では終われない。寧ろ骨の何本かは覚悟しないといけない。巨人の治癒力で治るとはいえ、痛みがないわけではない。痛いのは嫌だ
「何の話しだクソガキ」
「なな、何でもありません!」
「何でもねぇわけねぇだろ。心臓が何だって?」
「あー、うー、」
「愚図野郎」
「す、すみません」
「アンタ呼ばわりか」
「もっ!申し訳ありません!」
歯切れの悪いやり取りが嫌いな事も学んでおきながら、この後に及んで自分がやっている。嫌われたくはないのに。嫌われたくないってなんだよとエレンは自分にまた突っ込みを入れて彼の質問をお座なりにして仕舞う。足元を彼のブーツが軽く蹴ってきて意識を戻す
「まあ、いい」
「はあ」
「問題ねぇか」
「ありません」
「クソしてさっさと寝ろよ」
「はい。あ、リヴァイ兵長」
「あ?」
「おやすみなさい」
「…………、おう」
自分は笑えていただろうか。業務を熟すだけのやり取りと分かっていても、就寝前にわざわざ来てくれて、しかも日の終わりだ。エレンは思うようになっていた。リヴァイ兵長の一日の終わりに、顔を合わせるのがもし自分で最後ならば、自分の最大で最高の笑顔でおやすみなさいと言いたいと
惚れた、腫れたも折り重なって、紡いで、絡まって、その考えに至ったのか自分でも分からない。分からない事だらけで、頭がパンクしそうになる。それでも、彼の切れ長の目に映る自分が、少しでも化け物でなければ嬉しい、と
化け物は所詮化け物と言われようが何を言われようが、自分は人間だから。だからこうして同性で上司であるとしても、たった1人1分と顔を合わせないのに、心臓高らかに待ち侘びる恋をしている
その相手がまさか人類最強の兵士とはまた滑稽な話しかもしれないが
カツカツと遠ざかって行く足音の旋律が名残惜しくて、またエレンは目を綴じた
ワン、ツー、スリー、
ワン、ツー、スリー、
鋭利な牙で引き裂かれようとも、
誰にもこれは止める事ができない。
想いは自由だ。
そう、僕らは生まれながらにして、自由だ
抑え付けられ様とも、
この誇り高い心は屈っしない。
人が人である限り。
僕が僕で在るが故に。
その目にたたえた海の雫が
漣の様に寄せては返す記憶と成って
どうか、貴方に届きますように
と、願った想いは、突きつけられた鋭利な牙に引き裂かれ、
爪先にくちづけを。
ワン、ツー、スリー、
ワン、ツー、スリー、
逸脱を放って石畳みの廊下を歩く音が響く。それが誰のものであるのか分かる様に成ったのはつい最近だった。それまで、耳に入ってくる鳥の囀りや、誰かが話す声、はたまた雨音等と同じで、エレンの耳から通り過ぎていたというのに
近づいてくるその足音はどちらかといえば速い方だ。カツカツと硬質な石と兵団に支給されたブーツの靴底が衝突して廊下に響き渡る
金色に光る双眼をそっと綴じて、エレンは響く足音に耳を傾けた
音楽を聞いているかの様に、そっと意識をそちらにやる。うつくしい音色にうっとりとしているかの様に
足音は近づいて来ている。ここに、エレンの元にやって来るに違いない。腹が空いたみたいに、エレンは無意識に腹を撫でて、吐露しそうな熱い溜め息を飲み込んだ
エレンがこの古城に来て、地下室での寝起きを余儀無くされて幾日が過ぎただろうか。自分を見張る為に充てがわれた4人の精鋭兵士達と何気無い会話を交わし、何気無い心のやり取りをし、深い仲間意識と共に、過ごす日々の温かさにエレンの魂が穏やかになりつつある程に変化があった
人は過ごした時間が長ければ長い程…という気は更々無かったエレンだったが、まさかこんなにも短期間で4人との距離を縮める事が出来るとは思っていなかった
静かで、人見知りをする質では無いと自我を理解していたが、自分を監視し、最悪の事態には命すら殺がれるというのに
その変化をしかし、エレンはすんなりと受け入れ歓迎した
困惑したのはそれよりも、その精鋭兵士達を取り纏める兵士長であるリヴァイ兵長の事柄だった
物心ついた時から憧れ、憧れ、憧れて止まなかった。渇望の眼差しを向けたその人は余りにエレンにとって強烈で青天の霹靂で、何と言葉に言い表せばいいのかわからない程に、打ちのめされた
呼ばれる名等、最初はなくて苛々とした。クソガキ呼ばわりされ、分厚めの唇を噛み締めた時もあった。今では名前を呼んでくれるものの、クソガキはそのまま板に引っ付いたままだ
初めて名を呼ばれた時、人類に捧げた心臓がきっと多分自分に戻ってきた。戻ってきてはいけないのに、まだ巨人を駆逐出来てないのに、のたうち回るには十分な理由で、エレンは自分の心臓に初めて拒否をした
地下室で寝起きをする事柄と共に、兵士長自ら夜はエレンの元を訪れ、鍵を掛けるわけでもないのに様子見に彼は顔を出した。一日中エレンを監視しなければならないものの、ずっと自分が見張れるわけも無く、精鋭兵であるペトラやオルオ達リヴァイ班に任せる時間も多くある為に、一日の最後は自分が責任を以って終わらせると彼は無表情で言った。それはこの古城に来て二日目の夜だった
返ってきてはいけない心臓を左胸に納めて仕舞い、エレンは狼狽えた。ただ、憧れの兵士長に名を呼ばれただけというのに
そこから毎夜やってくる彼にその心臓がじりじりと焦がされて熱く、時にはじゅくじゅくと煮え滾るのを抱えて何度も拒絶した
しても、しても、何度拒絶したとしても、心臓は叫ぶのを止めない
リヴァイ兵長が近づけば近づくだけ、遠退けば遠退くだけ、心臓は彼に従順と反応した
一番危うく口から飛び出そうになつたのは数日前だ
何時もと変わらず夜、就寝前にリヴァイ兵長がエレンの様子見に地下を訪れた時。一言二言交わしたら業務終了とばかりに直ぐ地上へと帰って行くのに、その日は何故かたまたま目敏く彼に衣服の注意を受けた。いつも思っていたのだが、と前置きしてまで兵士長の彼が言いたかった事は、寝間着が汚いというなんともなんともな注意だった。寝間着ぐらいどうでもいいと返せば、眉間に皺を寄せて何日替えてないかと聞かれて漏れ出た声はただの音だった。ほらみろ。と浅く溜め息を吐き出した彼に、毎日替えろと注意を受けた
臭いますか?と詫びを入れればバツの悪そうな表情となり、こどもの様に首を左右に振って
俺が嫌なだけだ、気にするな、悪かった。
と、そう零した時、無表情しか見た事がなかったのに申し訳なさそうな顔をしたものだから、エレンの口から心臓が飛び出しかかった
すとん、とエレンは思った。いや、気付いた。彼は無表情なんかじゃなくて、薄いだけで凄く案外顔に出るんじゃないかと
気付いてからは事細かな表情を盗み見るのが楽しくなり、専ら険しい表情が殆どだったが、気の抜けた表情を垣間見た時はエレンの口から好きだと心臓が溢れ出していて咄嗟に両手で唇を覆った
溢れ出した心臓を耳にして、自分で自分が信じられなかった。頭で考えるのは苦手で、行動が先を行き後から頭がついて来るなんて日常茶飯事だっただけに、言葉が先に出てから頭が理解して、今までなんとか拒絶していた心臓を受け容れる羽目になった
受け容れてからはもう、何とも言えない状況で、エレンは坂道を転がり落ちる石っころの気分だ
コツコツと今日も相も変わらずエレンのいる地下室に向かって来る兵士長を迎える為に、エレンはベッドに腰掛けて目を綴じ、近付いてくる彼の旋律に心臓を高鳴らせている
今日は訓練も上手くいき、巨人の研究をするハンジと話しもして、訓練と並行して行っている掃除も上手くいった。食事当番はエレンではなくリヴァイ班のグンタだったのだが後片付けはエレンが自ら率先してやった
特に際立った話題になるような事はないなとエレンは項垂れ、一言二言で帰っていってしまうだろうと少し萎む
どうにか、彼をここに引きつけておきたくて、話題を考えるも、歳も離れたしかも上司に話す内容が浮かばない。もう少し自分が博識だったならば、もう少し自分が人懐っこく話しが上手ければ、彼の気を引けたのにと思うと落ち着かなかった
音を耳で拾いながら、じっとそんな、彼との業務みたいな会話を待ち侘びる。誰だ?これは。とエレンは苦笑する
巨人を駆逐する。駆逐、駆逐、駆逐。それしか頭に無かったエレン・イェーガーは何処にいった?
地下室でたった1人の同性の上司を、心臓を高鳴らせて待つだなんて
そもそも、ここにあってはならない心臓が何故ここにあるのか。苦笑したってし切れない。これが生きる業であるのか
エレンは受け容れた心臓の在り処をシャツの上から握り締めて口を尖らせた
足音の旋律が直ぐそこまで来た。もう少し、あと少しと心臓が煩く成ったところで、エレンは名案を思いつき、金色に光る双眼を開いて、ゆっくりと現れたかのひとをその脳裏に焼き付けた
「アンタに心臓捧げればいいのか」
「…………あぁ?」
思いついた名案がまた、口から零れ落ちて相手に伝わって仕舞い、終う
ああ、やってしまったとエレンは目を見開いて慌てふためいた
いや、あの、と口にしても、人を殺しそうな威圧の入った彼の眼力から逃れられない。刺さるそれさえ、越えたエレンにとってはなんとなく嬉しい物であるのだが、如何せん足が出てきて仕舞えばエレンも無傷では終われない。寧ろ骨の何本かは覚悟しないといけない。巨人の治癒力で治るとはいえ、痛みがないわけではない。痛いのは嫌だ
「何の話しだクソガキ」
「なな、何でもありません!」
「何でもねぇわけねぇだろ。心臓が何だって?」
「あー、うー、」
「愚図野郎」
「す、すみません」
「アンタ呼ばわりか」
「もっ!申し訳ありません!」
歯切れの悪いやり取りが嫌いな事も学んでおきながら、この後に及んで自分がやっている。嫌われたくはないのに。嫌われたくないってなんだよとエレンは自分にまた突っ込みを入れて彼の質問をお座なりにして仕舞う。足元を彼のブーツが軽く蹴ってきて意識を戻す
「まあ、いい」
「はあ」
「問題ねぇか」
「ありません」
「クソしてさっさと寝ろよ」
「はい。あ、リヴァイ兵長」
「あ?」
「おやすみなさい」
「…………、おう」
自分は笑えていただろうか。業務を熟すだけのやり取りと分かっていても、就寝前にわざわざ来てくれて、しかも日の終わりだ。エレンは思うようになっていた。リヴァイ兵長の一日の終わりに、顔を合わせるのがもし自分で最後ならば、自分の最大で最高の笑顔でおやすみなさいと言いたいと
惚れた、腫れたも折り重なって、紡いで、絡まって、その考えに至ったのか自分でも分からない。分からない事だらけで、頭がパンクしそうになる。それでも、彼の切れ長の目に映る自分が、少しでも化け物でなければ嬉しい、と
化け物は所詮化け物と言われようが何を言われようが、自分は人間だから。だからこうして同性で上司であるとしても、たった1人1分と顔を合わせないのに、心臓高らかに待ち侘びる恋をしている
その相手がまさか人類最強の兵士とはまた滑稽な話しかもしれないが
カツカツと遠ざかって行く足音の旋律が名残惜しくて、またエレンは目を綴じた
ワン、ツー、スリー、
ワン、ツー、スリー、
鋭利な牙で引き裂かれようとも、
誰にもこれは止める事ができない。
想いは自由だ。
そう、僕らは生まれながらにして、自由だ
抑え付けられ様とも、
この誇り高い心は屈っしない。
人が人である限り。
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