今回は政に翻弄される親子の話でした
大河ドラマでホームドラマ的なものをするなら、せめてこれぐらい政に混ぜ込むべきですね!!!
何はともあれ鳥羽法皇と崇徳上皇が素晴らしすぎました
【内容&感想】
◆後白河帝、就任おめでとお食事会
各人物の座る位置で力のありようがよくわかります
信西さんも末席ながら参加してますね
って…家成さんの息子(家親)が後白河帝の右隣ですか
随分と近い
と思っていたら、やっぱり「あんな下っ端がなんであんなトコに」「帝が気に入ったんだってさ」とか陰口叩かれてます(笑)
後白河帝としてはイケメン&歌詠むの巧い方が近臣の方が嬉しいと推察
歌のテクはこの時代大事です
※悪左府が失脚したのは苛烈な姿勢の他にも歌が苦手っていうのもあったに違いない
◆お食事会に崇徳上皇からお歌が贈られました
はい、【今週の和歌】が早速でーす
『あさぼらけ ながきよをこえ においたて くもいにみゆる 敷島の君』
(私流超意約:
長い夜を超えた朝焼けのように、長い間の苦節を乗り越えた帝の姿はすっげーいいよ)
家親が朗々と詠み上げると後白河ブチギレ
鳥羽法皇蒼白
得子さんオロオロ
いい歌じゃんとか言ってた人々も困惑
暴れまわる後白河帝はさておき、信西が解説をしてくれます
「頭の文字だけ取ると『あなにくし』!!!!!すげぇ憎いって意味じゃん!!!!!!!」
おぉ…音声だけでは気づかなかったです
あれですね『えるしってるか しにがみはりんごしかたべない@デスノート』みたいな
これを崇徳帝が意識してなのか、それともたまたまで揚げ足を取られただけなのかで色々変わるかもしれませんが
確実にわざと(笑)
でも後白河帝がキレる意味がわからんです
今までだったら「やべー上皇らしい恨みがましい歌だせぇ」って大爆笑したと思うんです
なのにブチギレた…
雅仁と後白河帝は別人?(笑)
ひょっとしたら、やっと皆が俺を見てくれるようになったのにこんな歌送るなんて酷いよぉという意味かもしれませんね
さらに法皇が「やっぱり帝変えるー」とか今更言い出すのも怖いです
もう遅いこと位分かってるだろうに…
でも崇徳上皇に恨まれているっていうのを実感してショックだったのでしょうか?
そして、そんな法皇に向かって
ゴシー「もう私の御代だ」
鳥羽法皇のトラウマ発動
白河院に言われた言葉を思い出してバタンキュー
なんか…色々と可哀想な鳥羽法皇
でも自業自得でもありますよね(笑)
◆信西フィーバー
後白河帝の乳父である信西が公卿達にちやぼやされてます
軽んじられていた昔が嘘のようです
そんな信西に清盛突撃取材
キヨ「毒の巣なんて言ってた雅仁を帝なんかによく推薦したな」
シン「だからこそだよ。私が裏で実権握れるじゃん」
後白河帝バカにされてます
こんなのが乳父じゃあ『僕要らない子なんだぉ』ってグレるのも分かります
もっとも、後白河帝は信西のそういう野心を見抜いていたと思いますけどね
◆一方の平家方は、時子の妹の滋子がお宅訪問
もの凄い美少女に浮き足立つ一門(笑)
けれど兄の時忠はやんごとなき方、お偉いさんとこに嫁がせたーい
時子のときもそうだったけれどもブレのないお兄たまです
妹達を輿入れさせて自分は楽をしたい
欲望だだ漏れです(笑)
忠正オジサマが過剰に反応しかけてツンデレ発揮するのは通常営業
忠正オジサマ萌でも流布する気でしょうか…?
けれども滋子は好きな人だった乞食とでも結婚すると宣言
…将来的に後白河帝の寵愛を受ける女の発言だとするとちょっとイヤミですよね
それにしても滋子の美少女設定はいいのだろうか…
だってパーマ
平安女性はふっくらとした顔立ちで艶やかな長い黒髪ストレートが美人の条件です
なのにチリチリパーマ……
ストパーをかけない限り、いいトコに嫁げんぞ
ひょっとしたら、滋子は恋愛結婚至上主義者みたいなので、わざとという可能性はありますが
それにしては一門の反応が良すぎ…
わけわかめですよ
つーかそもそも『好きな人と結婚したい』というのは極めて現代的な発想です
平安女性たる滋子にその意識があったのか甚だ疑問です
そして、あったとしてもそれを公言してしまうのはちょっとなぁ…
恋愛結婚至上主義は止めて欲しかったです
少なくとも、そんな彼女の思考を持ち上げるのは止めてください
お願いします
◆宗子さんに仲良し大作戦を語る清盛
まだこんな夢想を語れる清盛の鈍感っぷりが酷い
しかも宗子さんに…
法皇と上皇の関係も自分と平家一門の皆みたいに良くなる!!!!
とニコニコ言いますが
清盛…あなた何かした?
忠盛パパがメッチャ可愛がっていたから受け入れられたんだよ
清盛自身は好き勝手に暴れて落ち込んで夢を語ってただけだよ
そのせいで弟死んだんだよ?
それを宗子さんに笑いながら言える無神経さに驚きます
そして宗子さんも賛同せずに言葉を濁すのがいい
清盛の愚かな言動を無言によって指摘してるわけですね
ただ清盛は気付かない
◆悪左府がハメラレタ
NOTア○ル○○クス(下品)
峻烈かつ厳格な悪左府様
後白河帝を選んだ場に居られなかったのが痛かったです
政から遠ざけられ
オウムちゃんに愚痴る日々
いやはや、ぼっちな人です
また政の中心に戻る夢を見てウキウキしてます
マヌケな感じはしますが、当時の夢は現実と近いものと認識されていたので、悪左府様がいきなりドリーミンボーイになった訳ではないとわかっても…
可愛いですね(*´д`*)
けれども、近衛帝を呪詛したという風聞によって完全に失脚
得子サマの暗躍とはか書かれずにお茶を濁されてます
後半の得子サマの良い人っぷりをアピールする為にわざとスルーしたのでしょう
パパに泣きつこうとする悪左府様はヘタレ可愛いですが
もうちょっと堂々としてても良かったかな
パパにまで『悪左府』呼ばわりされるのは見捨てられた感が出て素敵な描写でした
ですが悪左府さまがこんな性格になったのは確実にパパの教育のせいじゃかと愚考してみます
てか先週「邪魔したらパパでも容赦しないんだから!!!」とかいき巻いていたのに
一瞬で墜ちてしまいました
彼は真面目すぎたんです
そして頭が良すぎた
ダラける貴族を粛正して、律せられた政をしたかっただけ
でも、やり方を間違えた
悪左府はある意味正しい
けれど、正しさを笠に恨みを買えばこうなるのは明白
悪左府は人の心がわからない
だから排除されてしまうのです
◆何はともあれ、ほのぼの平家とうって変わって源氏はギスギスのレベルを超えました
家宝の刀(棟梁の証的な)を継承した義賢(弟)を息子に襲わせて、奪わせる義朝
悪左府様がお兄ちゃんから家宝奪い返す時に同じようなことをさせてましたが
我らが義朝は容赦ありません
義賢死亡…
まるで恐怖政治を敷く独裁者のような義朝
この苛烈さが源氏を纏め上げた一因かもしれませんが今は混乱しか生みません
チビ頼朝はそんな父を軽蔑しているそうですが
アンタも将来同じ事しまくるんだよ!!!!と教えてあげたい
これが源氏の血なんですね
清盛に流れるのが物の怪の血なら
義朝に流れるのは畜生の血か
◆仲直り作戦決行
トバー「許して」
ストク「許さん」
と擦れ違いまくる二人の心
鳥羽法皇はやることないせいか『長者窮子』を一心不乱にを書き写しまくってます
崇徳上皇は私の子供なんだ。叔父子じゃないんだ!!!!
と紙に書きまくる法皇
今更かよ
とか言ってはいけないのでしょう
人は老いると悔い改めたくなるものなのですから
もし、気軽な身分の人間だったら崇徳上皇に会いに行って直接思いの丈を伝える事もできるのでしょうが
法皇業をしてるとそのへんの自由はないみたいです
清盛の説得もあって書きまくったを崇徳上皇へ送ります
崇徳上皇は魂抜けて、そのまま消えてしまいそうな状況です
けれども法皇からの文を受け取るやいなやビリビリに
崇徳上皇からしたら、やっぱり今更すぎる話です
この程度で今まで虐げられていた事実が覆るわけ無かろうと言わんばかりです
仲良し作戦失敗★
◆鳥羽法皇寝込む
年齢なのか心労なのか法皇が寝込みました
上皇と仲良くなりたい(;_;)
とか言いまくってますが、信西に「仕事してよ」と言われ、法皇モードに
『もし何かあったら私を守ると誓ってね』
治天の君としては他者に損なわれる訳にはゆかないのですから
この発言は間違ってはいないのでしょう
ですが、これを見た崇徳上皇はまた傷つくに違いありません
「おまえは私の子だよー仲良くしよー」と言ってきた法皇が公の場では「アイツ私を殺しにくるよ」と言ってるんですもの
そりゃないよー(;_;)
◆誓約書を出す人、出さない人
義朝ははりきって署名しました
パパには何も言わずに勝手にです
今まで一緒に成長してきた友からも見限られる始末
流石にショックだったようですね
そして、署名していない清盛の邸宅に足を運ぶ義朝
暢気に子供たちが修練しているのをチラ見した後
署名しない清盛を責めます
キヨ「これ以上、上皇を追い詰めたら戦争になっちゃうよー」
ヨシトモ「なればいいよ!!!!武士は戦ってなんぼのもんじゃい」
これはお互いに平行線を辿りそうな対立です
しかし、清盛の考えは棟梁としてはおバカさんではないでしょうか
はっきりと上皇からの拒絶を目撃していること
権力を持つ信西が大乱を画策していると聞いていること
不穏な宮中
大乱という谷底へとゴロゴロと向かってゆく流れを直視していりのに…
悪左府様の失脚でさらにその勢いは加速したでしょう(あの性格で大人しくしている方が考えづらいのですから)
そんな様々な事実をしりながら、署名しない清盛はただの感情論に振り回されているだけです
清盛一人が署名しようとしまいと世の中の動きはもう止められないのですから、そろそろ棟梁として感情で動くことを止めて欲しいです
清盛がそんなんだから
宗子さんが忠正おじさまに「もしもの時はお願いね」とか言わなきゃならなくなるんですよ
◆鳥羽法皇危篤
得子サマが崇徳上皇の元に
仲直りして欲しいと静かに訴えてます
本当にこの人は鳥羽法皇至上主義者です
◆鳥羽法皇崩御
崇徳上皇に謝ったり
得子サマに「運命を狂わせた」と謝ったりして亡くなりました
得子サマは自ら渦中に飛び込んでかき回しまくった人なのでこの謝罪は間違ってます
伝えるべきは感謝じゃないでしょうか
自分の欲もあったとは言え、得子サマのガッツに助けられた部分もあると思いますよ
亡くなった鳥羽法皇の周りを菊で埋め尽くす姿はかなり怖かったです
魂はタマコサマのトコに行ったとしても体は私のもの
水仙なんて入れてあげない!!!!
女の情念コワス…
◆雨の中、鳥羽法皇に会いに来る崇徳上皇
まだ死去をしらない崇徳上皇がやってきます
でも門のトコのガードマンに害意ある敵対者として入場許可を出してもらえません
仕方ないので、崇徳上皇、車からおります
動揺するガードマン
何しろ皇室の血筋の人間の姿を目撃するとかなかなか無い事ですからね
ガードマンの中に清盛がいるのを見つけた崇徳上皇
ストク「法皇の所に連れてって」
清「ダメだぉ遅すぎるよ」
太刀を向けて拒絶
清盛は相変わらずとんでもない事しますね
帝の血筋に向かって刃を向けるとか…
まぁ何はともあれ清盛がある意味において、大人になりました
自分の感情よりも、一門を考えるようになった訳ですから
落ち目の崇徳上皇に肩入れし続けるメリットは殆どありません
ですが…あまりにも残酷です
今まで「仲直り手伝うよ」って言っていた人を頼ったら拒絶された崇徳上皇の気持ちを思うと胸が張り裂けそうです
上皇は清盛の心変わりの理由がわからないほどお間抜けではないですから、すべてを理解して一人徒歩で去ってゆきます
その途上で崇徳上皇と悪左府様とが遭遇
こうして大乱へと転がり落ちてゆくのです
私人としての感情と
公人としての責任と
どちらを選んでも何かを踏みにじるのだとしたら
どちらも踏みつけにした今の清盛の所行は余りにも残酷でした