《もう届かない君を探して戦い続ける闇のような世界に》

咲いて散る桜をなぜ美しいと思うのだろう?
もういない君の姿を重ねているからなのか?

──美シイ思イ出ガアルダケ、マダましジャナイカ?──

そう慰めているつもりか?

……俺は君を隠したこの世界を許しはしない。
俺は、この世界を切り刻んで散らしてでも、君を探し出してみせる!

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!!
!!!!
!!!!!!!!

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……知らなかったんだ! この時の俺は……君がこの世界そのものであっただなんて! そんなの、わかるはずもない!!

…………いや、途中で薄々(うすうす)感づいてはいた。疑(うたが)っていた。だけど、信じたくはなかったんだ。

だったら、なんで?
本当はいなくなっていない君は黙(だま)っているんだ? 俺がずっと、ずっと! ずっとずっとずっと!! 君を探し続けているのに!?
もう俺とは会いたくない……一緒にいたくないのか?
俺は必要ない存在なのか?!

そんな考えが、思いが浮かんでは、声に出して問うことなく、心の奥に沈(しず)めてきた。

……だけど。そう、あの時……桜の花が散る様(さま)に心が動いた時に……君は呼びかけてくれていたんだね?

だとしても、…………すべてが終わった後では、もう、遅い。

The end.

※※これはフィクションです※※