前半は【こっち



スズト「まさかシモンに会えるなんてな!」
フィデル「ああ、後でレナにも会わせてやんねェとな」
シキ「その内フランシーヌさんやローランドさんとも会えないかな〜」
フィデル「でもフランはパパさんが婿探ししてるらしいからなァ」
シキ「あぁ〜、らしいですよねぇ」
スズト「盾持ったフランシーヌと模擬戦して胴に一発でも入れれば合格だっけ?」
スバル「フィデルと並んで絶対防御のフランシーヌにか? 難易度が高すぎるな」
フィデル「おかげでパパさんの知り合いの息子は全滅だってよ! ハハハ!」
スズト「相当な実力者じゃないと結婚を許さないとか流石フランシーヌだよな〜!」
シキ「いや、ただ単にまだ結婚したくないだけだと思いますけど……」

スズト「ローランドは……故郷帰っちゃってからなんも判んねえからなぁ、元気にしてるかな〜」
スバル「いや俺と手紙のやり取りをしてるが」
シキ「え!」
フィデル「は?!」
スズト「マジかよ!? 初めて聞いたぞ!」
スバル「初めて言ったからな」
スズト「もっと早く教えてくれよーっ!!」
スバル「いや……内容が伝えられるような物じゃないから…いやでも…言うべきだったか……、す、すまない」ショボ
スズト「いや謝れとは言ってないじゃん!」アワアワ
フィデル「……ていうか、“伝えられるような物じゃない”ってなんだ?」
シキ「ま、まさか何らかのあれやこれやに抵触するような内容なんですか!?」ハワワ
スバル「いや……」

スバル「お互いに自作のパズルを作って解き合ってる」
シキ「自作のパズルを!!?」
スズト「……あっ! たまにスバルが夜中にやってるヤツってローランドのパズルだったのか!!」
スバル「そうだな……寝付けない時に考えてると、良い暇潰しになる」
フィデル「そりゃあ伝えられる内容じゃあねェな!!」
スバル「(今度短い文でも添えてみるか……)」


「みな、皆さ〜〜〜ん!!」

フィデル「ん、んん? なんか屋台に居るやつが手ェ振ってるが……」
スズト「あれ俺達呼んでんの?」
フィデル「いやバッチリこっち見てるしy、って、ああーーーッ!!!!」
シキ「ひょわあ!?」声にビクーッ
フィデル「あ、ああ悪ィ! でも見てみろあの顔を!!」
シキ「んぇ?」
スズト「あ…ああーーーーっ!!!」

スズト「お前マハトマじゃん!!! 久しぶりーーーッ!!」
スバル「(そんな名前だったか?)」
シキ「ああ!! マカダミアナッツさんじゃないですか!!」
スバル「(そんな名前だったか??)」
マノレテ「や、やっと気付いてもらえた〜! 皆さんお久しぶりです! あとマノレテです!」
フィデル「ひっさしぶりだなァ、マイコプラズマ!! 元気してたか!?」
マノレテ「そりゃもう元気も元気でしたよ! あとマノレテです!」
マルセラ「わしらもいるぞ」ヒョイッ
マガ「……お久しぶりです」ヒョコ
シキ「あ、ああーっ!! あなた方はツインテミスのマルセラさんとおかっぱミスYのマガさん!!!」
スバル「説明乙」
マルセラ「元気そうで何よりじゃ。あと名前にマ行が多すぎるからもう暫く喋らん」
シキ「えっ!!?」

フィデル「にしても、ひょっとしてこの屋台はお前の!?」
マノレテ「ふっふっふ……そうです! 遂に僕、お菓子屋さんの第一歩を踏み出したんです!」ドヤ
シキ「おお、ついに!!」
マノレテ「ちゃんと出店許可も取りましたよ!」ドヤフンス
シキ「おお〜〜〜〜っ!!」パチパチパチ
スズト「んで何売ってるんだ!? 聞かせてくれよ!」
マノレテ「よくぞ訊いてくれました! まずは里で育てている茶葉とハーブを練り込んだクッキー!」バッ
シキ「クッキーだぁ〜〜〜!!」キラキラ
マノレテ「あとはシンプルなアイシングクッキーたち。こちらは5枚1セットでの販売になってます!」ドン
スズト「すっげー!! 深霧ノ幽谷で出てくる奴らじゃん!!」
スバル「冒険者としては……、少し、食いづらいな……」
フィデル「見てるだけでも嫌ァな思い出が蘇るぜ……」
マノレテ「ちなみに僕まだアイシングはマスターしてないので」
マルセラ「全部わらわの手作業じゃ……」(くたびれた顔)
フィデル「お、おう……、お疲れ……!」

マノレテ「あとは、干し芋です。」
フィデル「何故そこで干し芋ッ?!」
シキ「いいじゃないですか、干し芋〜! 俺好きなんですよね〜!」
スズト「芋もウロビトの里でとれたやつなのか?」
マノレテ「そうですね! 里で取れて余ったやつを僕と応援してくれた仲間達で干して作りました!」
スズト「すっげー!!」
スバル「手間がかかってるな……」
フィデル「お前らツッコまねえなァオイ!!」

シキ「折角ですし是非買わせてくださいよ!」
マノレテ「そんな! 皆さんだからタダでもいいくらいなのに!」
シキ「ダァ〜メです!! ちゃんとお金は払わないと!!」
スバル「祝儀にこちらが多少色を付けても良いぐらいだからな」
シキ「そうそぉう!! ちゃんと地元の皆さんに還元しないと!!」
スバル「(シキが妙に力説してるな……)」
フィデル「ちゃんと儲けが出れば来年も店を出せるかもしれねェしな! 協力するぜ!」
スズト「あっ、レナの分も買うか?」
スバル「いや、合流した後で良いだろう。こういうのは本人に選ばせた方が嬉しい筈だ」
スズト「そっか! じゃあ俺の分どれにしようか考えよーっと!」ワクワク
マノレテ「み、みなさぁ〜〜〜ん……(じ〜〜ん)」

シキ「ちなみにマガさんはどんなお手伝いを?」(クッキー選びながら)
マガ「ボディガード…ですかね。ボク、お料理の手伝いができないので……」
シキ「ありゃ、切るだけでもですか?」
マガ「……なんか……、材料切ろうとすると石化するんですよね」
シキ「即死と石化の鍛冶乗せまくった持ち武器で食材切っちゃあダメですね??? 俺でもちゃんと普通の包丁に持ち替えますよ???」
マガ「……?????」
シキ「どうしてそんなにキョトンとできるんですかぁ〜!」


マノレテ「えっと間違いが無いようにもう一回確認して〜、ハイどうぞ!」
シキ「わぁ〜いありがとうございます!」
スバル「これで全員分か?」
シキ「そうですね!」
スズト「にしてもシキ買い過ぎだろ! 両手埋まっちゃってんじゃん!」
シキ「いいんですよ両手に幸せいっぱいなら!」
マルセラ「ちなみに里の草で編んだ 物がたくさん入る網バッグも販売中じゃ」
フィデル「後から出してくるたァ商売上手じゃねぇか。1個買うぜ」
マルセラ「ひっひ、毎度あり〜」
フィデル「ほら、全員買ったやつこれに入れとけ」
シキ「ありがた〜い!」ヒョイヒョイヒョイヒョイ

タンッ!

スバル「?」
???「タルシスは相変わらずハロウィンに力を入れているな、いい事だ」
スズト「あっ、ニールー!」
シキ「ニールさん!!」
ニール「久しぶりだな。シモン達から話は聞いたから一足先に戻ってきた」
フィデル「て事はシモン達はまだ辺境伯の所か?」
ニール「いや、これから統治院を出る。2人で階段を下るから少し時間はかかる筈だ」
スズト「…あれっ今ニール階段下りて来たのか?」
ニール「いや? 飛び降りてきた」
シキ「わぁナイトシーカー特有の身軽さ〜!」
フィデル「いやシキも同じ職業だろうが!」
シキ「イヤですよぉ! 俺あの高さだと脚ビィ〜ンてなりますもん!」

スズト「ニール見ろよ! マルヤクデが遂に自分のお店出したんだぞ!」
ニール「実現できたのかマイドドウモ! 良かったな!」
マノレテ「はい!! あと僕の名前はマノレテです!!!」
ニール「ではシモン達が戻ってきた時に商品を買わせてもらおう。少しでも助けになると良いが」
マノレテ「とんでもない! 買ってもらえる時点で大助かりですよ〜!」

シキ「ニールさんニールさんっ、ちょっとこの帽子 俺の代わりに被ってみてくださいよ〜!」
ニール「やけに薄着だとは思ったが、ひょっとして仮装だったのか? どれどれ……」ポフ
マノレテ「わぁ、かっこいい〜!」パチパチ
フィデル「う〜ん、似合うなァ」
シキ「ニールさん俺よりクールでカッコいいですからね!」ニコニコ
ニール「っ、そんなに褒めても何も出んぞ!」ばふ(シキに被せる)
スズト「ひゅ〜、照れてる照れてる!」
シキ「そのままあげても良かったのに!」
ニール「いらん! シモンとミルシュカにどんだけイジられるかわかったものじゃないからな!!」
フィデル「(イジられてるのか……)」
マノレテ「(ニールさんイジると面白いからな〜)」
スバル「じゃあ此処限りと言う事で次に行くか。着てみろ」(ローブ差し出し)
フィデル「いつの間に脱いだ!?」
スバル「早着替えは冒険者の嗜み」
ニール「俺がいつ仮装をすると言ったんだ!」(受け取り)
スバル「態度は正直じゃないか」

シキ「う〜ん……?」
スズト「思ったより似合わねえな!」
ニール「自分でも意外だが……」
スバル「仮装と言うより……、本職のカースメーカーっぽいな……」
スズト「なんだっけ、呪うやつ?」
スバル「ああ」
マノレテ「じゃあカースメーカーのコスプレって事で?」
シキ「他職業と怪我人に見える仮装は最近に規制されちゃったんですよね〜」
マノレテ「えっそうだったんですか?!」
シキ「紛らわしいそうなので……」

ニール「ガワが似ていようが俺は呪言なんて使えんぞ」
スバル「使えてたまるか」
フィデル「そりゃ本職じゃねェからなあ」
ニール「とりあえず返すぞ?」ヌギヌギ
スズト「あっ!!俺のも着る!?」
ニール「いや、スズトのは無理だ……そもそもサイズが合わん……」
スズト「…………そっか……」
シキ「ああ! 様々な気持ちを押し殺した顔!!」

ミルシュカ「ニールくんおまたせ〜」
シモン「辺境伯への挨拶終わってきたぜ!」
ニール「ああ。ところでマネキネコが自分の店を出せたそうだ、土産に何か買おう」
シモン「やっぱマノレテだったか! 遠くで見た時からそうかな〜とは思ってたけど! おめでとう!!」ギュッ(かたい握手)
マノレテ「シ、シ、シモンさん〜!!(感涙)」
シモン「マルセラとマガも元気そうで良かった! 会えて嬉しいぜ!」
マルセラ「なーんも変わっとらんのうシモンは。よい事じゃ」
マガ「…………」ニコニコ
ミルシュカ「あなた達がウロビトさんなのね〜。話で聞いて想像していた以上に細くて心配になっちゃうわ〜」
マノレテ「…?」
シモン「…ああ! 彼女はミルシュカ、俺の妻だ!」
マガ「!!」ビョイン
マノレテ「なんと!!」ビャッ!!
マルセラ「やはりそうか!」
フィデル「(男衆の触角は感情豊かだなァ……)」
ニール「という事でマクロファージ、商品を見せてもらうぞ」
マノレテ「どーぞどーぞ! オススメはこのクッキーです! あと僕はマノレテです!」