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渡邉:火力発電に関してもインフラがもたなくなってきている。タービン炉などは三系統あるのが常ですが、2基を動かして1基をメンテナンスで休ませるのが基本。しかし真夏や真冬の電気需要が高まる時期には、3基同時に動かさざるを得ない。事情をご存知ない方は『電力なんて余っているじゃないか』と気軽におっしゃるのですけれど、電力に余剰が出るのは春・秋の短い期間だけにすぎない。その他の時期はタービン炉3基を無理矢理動かしているわけです。原発が停まってもう3年経ちますから、いい加減、休ませないと壊れてしまいます。そして40年前の火力発電施設は一度壊れてしまうと、直そうにもすでに部品がない。
三橋:一度壊れたらアウトです。
渡邉:そういう事情を知らずに『脱原発』を言うのはナンセンスです。中・長期的に原発を減らしていこうというのは、まあ理解できます。ただ何の準備もと整わないうちに即刻、原発を停めろというのは暴論でしかない。たとえば火力発電所をリプレースメントするにしても、原発を稼働させてはじめて可能になることです。そう言うと『新しい土地に火力発電所を立てればいいじゃないか』などという反論が出てくる。でも実際に発電所の建設というのは、用地取得だけでだいたい10年はかかる。
三橋:そういう事情を皆、知らな過ぎるのです。原発同様、火力発電にも冷却のための海水が必要になるのですが、そう考えるともう日本には建設候補地がほとんどない。沿岸部以外に火力発電所を造ろうと思ったら、燃料を運ぶパイプラインが必要になります。欧州などで火力発電所が内地にあるのは、パイプラインのネットワークが充実しているからです。ですから、火力に照準を絞って脱原発してもいいのだけれど、そのためにはガスパイプラインを日本中に張り巡らさなければなりません。ここでもまた、土木が必要になるわけです。
渡邉:ガスパイプラインを引くとしても、一体どこから?という問題がある。現実的にはロシアから引くしかない。
三橋:いや、そうではなくて、私が言ったのは湾岸にガスをLNGで運んできて、それをパイプラインで送るという意味です。
渡邉:なるほど。そうすると、ガスはどこかから買ってこなければなりません。
三橋:これまで通り、カタールなどから買ってくることになる。これがまた問題で、カタールのGDPというのはだいたい12兆円ぐらい。それに対して、わが国の対カタール貿易赤字が3.5兆円。つまり彼の国のGDPの4分の1ぐらいは日本が貢いでいる計算になる。
渡邉:次はアメリカのシェールガスじゃないですか?おそらく。
三橋:そうでしょうね。ですから先の都知事選で脱原発を訴えた細川護ひろや小泉純一郎の背後にいるのは、アメリカの天然ガス利権なのではないかと推測できます。
渡邉:細川さんはなにも考えてないでしょう。小泉さんはかなり怪しい(笑)
三橋:なんらかのビジネスを背景にしているとしか思えない。まあ、ここは『としか思えない』ぐらいの表現にとどめておきましょう(笑)







細川護ひろの ひろという字が予測変換の選択肢に出てこないんだけど