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過去の自分との対峙



『老人と犬』、読了です。

ケッチャム作品でここまで心地いい感動を味わうことになるとは思わなかった。言うなればハートフル・サスペンス。
子供の死体がすっころばってるのにハートフルと言うのも妙な話だけど。

読み進めて行くうちに、思いもよらなかったけど、これは老人自身の過去との対峙なんだと気付いた。とてもそうは見えないけど、マコーマックはかつてのラドロウなんだ。自分が“何をしなかった”のか、ラドロウはマコーマックを通して突き付けられている。
愛情と甘やかしは違う。…かと言って、ラドロウの言うように“尻を鞭でひっぱたく”必要があるとも思わないけど(これは比喩的な意味だったのかもしれない)。
愛情と甘やかしの中間、束縛と躾の中間。私はいつもそこにいたいと思っているけれど、いれている確証はない。多分、常に中間に居続けることは難しい。大事なのは、中間を目指し続けること、だと思うけど、私がラドロウにもマコーマックにもならない確証は、きっとないんだよね。

マコーマックはラドロウの道を歩んでいる。結局ティムは死んだ。それはちょっとショックだった。

意外だったのは、おそらくラドロウがダニエルに愛情深く接していたこと。ケッチャムもそれを意識して書いているんだろうね。
だってラドロウがダニエルにやったことは、本書のラストで子犬への接し方について、エマ・シドンズが望んだことと同じだもの。まるで、過去に自分ができなかったことをやって、罪を贖っているみたいだった。



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