話題:みじかいの
【床屋と客】
町の小さな床屋と、一見の男性客との会話。
床屋『今日はどのようになさいますか?』
男性客は、自分と年格好の近い床屋の主人の髪型が格好いいのを見てこう言った。
男性客『貴方と同じ髪型にしてくれ』
床屋『判りました』
数十分後、男性客は鏡の中の自分によく似た“お坊さん”の姿を呆然と見つめていた。
ー余計な解説ー
つまり、床屋の主人の“格好いい髪型”はヅラであり、主人は男性客に言われるがままに、彼の髪型を自分と同じ“ハゲ”にしたのである。因みに私の髪はまだまだ大丈夫。
【ニワトリと卵】その1。
ある男が博学の友人に訊ねた。
男『結局のところ、ニワトリと卵ってどちらが先なんだい?』
すると友人は、さらりとこう言ってのけた。
友人『それは、卵で間違いないね』
男『本当かい?』
友人『ああ。昔、気になって調べてみた事があるんだが…どの辞書でも卵が先に出てきたから間違いないと思うね』
ー余計な解説ー
ニワトリのニ(ナ行)と、卵のタ(タ行)では、タ行が先なのは当たり前である。知識があっても、考える方向を間違えると、とんでもない結果に行き着くという話。
【ニワトリと卵】その2。
若い二人の女性の会話。
女性1『ねぇ、ニワトリと卵ってどっちが先なのかしら?』
女性2『じゃあ、確かめてみましょう』
女性1『えっ?』
女性2は、注文を取りにきた店員にこう訊ねた。
女性2『ねぇ、“チキンのグリル”って、どれくらい時間かかる
?』
店員『15分くらいだと思います』
女性2『じゃあ、こっちの“ハムエッグ”は?』
店員『こちらでしたら、5分少々かと』
女性2『判ったわ、どうもありがとう』
店員が去った後、女性2は涼しげな顔で女性1に言った。
女性2『どうやら、卵の方が先みたいね』
ー余計な解説ー
まあ…観念よりも実際(現実)、といったところでしょうか。因みにこの場合、勿論、2つが同時に出てくる可能性もあります。
【幽霊】
深夜、私が山道を歩いていると、反対側から一人の男が血相を変えて走ってきた。
私『どうしました、 大丈夫ですか?』
男『ゆ、幽霊が!!』
私『えっ?』
男『この先のトンネルで幽霊に出くわしたのです!』
私は笑って答えた。
私『まさか。何かの見間違いでしょう』
男『ほ、本当なんです!』
私『いや、幽霊なんて居るわけありませんよ』
男『でも見たんです!髪の長い女性が、雨も降っていないのに全身ずぶ濡れでトンネルの中に立ってたんです!』
私『やっぱりそれ、見間違いだと思いますよ』
男『何で信じてくれないんですか!?』
私は笑って答えた。
私『だって…この先にはトンネルなんてありませんから…』
ー余計な解説ー
これはジョークというよりは怪談話ですが、オチの構造が極めてジョーク的なので、今回のジョーク集に加えてみました。小泉八雲の有名な怪談話“のっぺらぼう”(MUJINA )も、構造的には近い物があるように感じます。
〜おしまい♪〜。