◆ 5月10日



嘘みたいな中
通夜の日が来てしまった。


もうよくわからない私がいる。


昨夜は何も話す事のない母と二人で過ごした。



死体って言ってしまうとそうなんだけど、
当たり前に怖いって感情はない。



こんな親子水入らずな時が来るなんて…



綺麗にお化粧してもらって、
ちょっと明るめの口紅が光ってる…



ほんのりピンク色した頬を触ってみた。



凄く冷たい…

『お母さん、あのね…』

って、誰も見てないから、
甘えた声で色々な事を話した。



独り言だけど、
なんか心で会話してる感じに思えた。



昼過ぎに、斎場に行くので子供達を呼んだ。

私達家族と、マンションの近所の方、管理人さんが見送りに来てくれた。



もう二度と肉体としてここに来る事はないんだ…



とても悲しい気持ちになった。



近所の人は泣いてた。



そんな一人一人の想いを掻き消すかのように、
クラクションが長く高く響いた…



私も仕度をして通夜の2時間前に斎場に到着した。


兄貴は盛大にする気はないと、全ての方を断ったらしい。

兄嫁も。


私は、中・高の友人と社会人になってからの友人、約20名ほどが来てくれた。


母は、二年前に定年していて、今は一戦から退いていた為、
30〜50名くらいと見込んでいた。



そしていざ式が始まると…

凄い人が…


母の知り合いだけで100人以上…


とにかく凄い人だ!



こんなにも沢山の方々が、
母を偲び会いに来てクレタ。



中には、30代くらいの男性が号泣してる。

どんな気持ちなんだろう?

親族では、最初から最後まで泣いてたのは私だけだったラシイ。



改めて自分の泣き虫ぶりを知った。



焼香が終わり、受付をお願いした友人と食事をした。

後から母をよく知る友人が駆け付けてクレタ。



皆、突然の訃報に、本当に驚いていたみたいだ。

母は今どんな気持ちで何を思っているのかな?



母の職場で、色々見えちゃう方がいるみたいなんだけど…



『お母さん、死んだって思ってなくて、毎日家と会社を往復してるよ』



って…。

それ聞いていたたまれなくなった。



やはり、一日も早く、母が何故死んでしまったのか?

真実を知りたくなった。



明日は母の肉体とのお別れだ。
冷たくても肉体があると気持ちが離れらんない。
だから骨にしちゃうのかな?



明日、私は大丈夫だろうか?…







◆ 5月11日



とうとうこの日の日記になってしまいマシタ。

今日は、24日日なんですが
落ち着いたと言うより
日一日と、母への想いが募ります。



告別式の日
午前10時〜11時
通夜も告別式も雨…

私には母の涙に感じられマシタ。



もっと生きてたかった…って。

通夜とは違い、身内とごく親しい人達…
昨夜来られなかった方数人の参列で、しめやかに行われマシタ。



私は変わらず、ずーっと涙が止まりません。

昨夜の副住職よりも、今日の住職のお話や声が胸に響きマシタ。


今日でお母さんの肉体と別れてしまうと思う悲しみと、
何でこんな事になってしまったんだろう…って、
認められない気持ちや、
やりきれない気持ちが更に追いうちをかけます。



最後のお別れで、棺に花を入れる時に、
スーツやジャケットや靴。
口紅や大切にしていた母から周りに対する感謝を書いた紙。
後は、私達身内がそれぞれに書いた手紙だったり。。。

その全てが埋まって見えなくなるくらい…
溢れ出しそうな大量のお花を母の顔以外の場所に入れマシタ。



棺を閉じる前の数分間…
私は多分叫んでいた様に思えます。



またいつか会う日まで待っていてね
お母さんの子供に生まれて幸せだった
たくさんのありがとう

ナド…

心ん中で想いながら。。。



今はハイテクで機械で移動して焼場に入り骨になるから
あっさりはしているけど
焼けた後の骨を見ると
白く綺麗な貝殻のようで…

闘病生活もなく
たった19日で死んでしまったのを物語る様に、しっかりと…そして健康的な骨がそこには存在した。



決して大柄ではないのに、
健康だったからなのか?
骨の量が多い。



骨壺いっぱいに骨は納められ、帰宅した



後に骨壷に眼鏡も入れマシタ。



肉体がなくなり、骨になった時に、少しは気持ちが変わるかと思ったケド
そんな事はなかった。。。



やはり信じられない気持ちでいっぱいだ。



実家の父の仏壇に手を合わせ、
母が成仏できる様にお願いした。



残った私がやるべき事は沢山ある。



裁判も、人に寄っては変な目で見る人もいる。



刑事裁判と勘違いしているのかな?

私は、あくまでも民事なつもりだ。


そう…

最終的に和解するつもりだ。

お母さん、こっちの事は任せて天国でゆっくり休んでね…



ありがとう








ユカ