幸せって、こんなささいなひとときにあるのかもしれないな…


さて。いきなりで恐縮ですが、皆さんは「やろうと思えば比較的簡単にやれることが、先延ばしした結果、非常にやりにくくなった、やれなくなったこと」ってありませんか。

実は私、さっきまで延ばしに延ばし切ってきた仕事がありましてね、21時30分から0時まで、2時間半でやり終えたわけなんですがね。

この仕事、明日が締め切りだったんです。

でも私、連休前から家でやろうやろうと持ち帰り続け、結局、今の今までできなかった仕事だったんですよ。

こうした「比較的短時間でできる簡単な仕事」でも、不思議な話、先延ばしし続けることが繰り返され、「今日もやらなかった、やれなかった」といういわば「失敗経験」が積み重なることにより、心の中で「非常に恐い仕事、簡単にはできない恐ろしい仕事」に変化してしまうんですよね。

これは非常に恐いことですよ。

仕事の内容は変わらないのです。自分の実力からすれば、集中すれば数時間でできる仕事なんです。でも、「やろう、あと数時間したらやろう」とか、「あ〜あ、時間が過ぎてしまった。じゃあ、数時間後、区切りよく○○時からやろう」とか。で、またそれが過ぎて、「今日は疲れている、明日早朝にやろう」とか、それもできず……ということを何度も何度も繰り返してしまうと、その仕事が、ものすごい「お化け」に変わってしまうのです。

やれるのにやらないこと、やれないことを繰り返すと、対象物がものすごい障害物に変わってしまうのです。
これは非常に恐ろしいことですよ。


私はこうした経験、思えば幼少の頃からありました。例えば小学校時代の夏休みの宿題、試験勉強とか。

こうした様々な「失敗・敗北経験」が「自分は弱いどうしようもない人間だ」というトラウマを厚くしてしまうのです。何度も何度も自分を「逃げの姿勢」にし、失敗を繰り返させ、「弱い自分」をさらに強固に定着させてしまうのです。


私、ものすごい後ろ向きの話ばかり展開していますよね。でも、実際そうなのです。「自分は病気か」と思えるくらいに最近後ろ向きなんです。

今、やっと、やっと、締め切りに追われ恐怖に震えながら、頭痛にさいなまれながら、ようやく今回の「お化けに変わっていた仕事」をやり終えました。とりあえずは明日は泣かずに仕事に行けそうです。



表題の「ドボンが来た」なんですが。

あるお話なんです。

百獣の王ライオンのもとに、部下から「おそろしい怪獣ドボン」が来たとの話があったんですって。

で、ライオンがイノシシに尋ねると、「シカがそう言った。すごい怪獣らしい」という。

で、シカに尋ねると「ウサギが言った。ものすごい怪獣だ」という。

ウサギは「トリが言った。想像を絶する怪獣だ」という。

で、辿りに辿って行くと、怪獣ドボンというのはメダカの近くで「ドボン」と水に落ちたドングリの実だったという笑い話なんですがね。


これと同じようなことが簡単に人間にも起こるのです。私に起こっているのです。
しかも、私の場合、相手は単なる小さいドングリの実だとわかっていても、時間の経過とともにドングリの実がものすごい巨大な障害物として身にのしかかったりするのです。しているのです。


これは怪獣は「ドボン」だというよりも「自分の弱さ、逃げの姿勢、敗北経験の繰り返し」だというよりほかはありません。

私は本当に弱い人間だということです。