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episode4 ヒーローごっこ(下)

鼎はあることが非常に気になっていた。光と澪にあんなことを言ったものの、相手は中学生。中2病全開で、ヒーロー活動継続するのでは?…と。


「和希」
「どうした?お前が呼ぶなんて」

「…次、怪人が出現した時、和希といちかが出撃してくれ。
…ここからなら晴斗の高校もまあまあ近いだろ。もし晴斗を見かけたら、拉致してでもいいから晴斗も連れて行って欲しい」
「拉致ってまでも晴斗が必要なのか…」

「あぁ。自称ヒーローの光と澪の写真がこれだ。彼女達の勘違いで甚大な被害が出たら洒落にならなくなる。…止める必要があるんだよ!」
「そこで高校生隊員の晴斗のお出ましって算段か」
「和希は話が早いから助かるよ」


御堂はあることが気になった。

「彩音は行けないのか」
「彩音は烏丸の対応に当たるし、元はカウンセラーだ。話し相手は必要だろ。
最近私も彩音とまともに話出来てないけど、心は通じあってるから大丈夫だ」


鼎はスマホ画面を見せた。ラインは頻繁にしてるらしい。
本部にいてもなかなか直接話す機会がないようだ。たまに休憩所に居合わせた時や食堂では彩音とは話をしている。親友ということもあり、互いに忙しくても心配無用なようで。



都心では怪人出現。今度は厄介な人間態→怪人態パターン。これには光と澪も油断していた。

「ヒーローのお出ましよ!…あれ?怪人はどこ?」
光は辺りをキョロキョロ見渡す。そこには人間態から怪人になる者がいた。怪人は今までのはぐれ怪人に比べると強い個体。

光は怪人の裏拳で吹っ飛ばされてしまう。澪は思わず叫んだ。
「光っ!?」
「なにこれ…強い……」

光はなんとか立ち上がろうとしているが、怪人が迫っていた。



御堂といちかは出撃。途中、下校中の晴斗を拉致し強引に出撃させる。


「ちょ!?御堂さんに時任さん!?」
晴斗、驚く。
「晴斗、悪いが付き合ってくれよな。ブレードはあるだろ」
晴斗、首を縦にぶんぶん振る。晴斗の対怪人用ブレード・恒暁(こうぎょう)は手を翳し、「来いっ!」と念じると自動的に来るようになっていた。恒暁は地味に進化していたのだ。

「暁くん、ごめんね〜。今回は暁くんの力が必要なんすよ」
いちか、ごめんね〜って顔してる。晴斗は手を翳し恒暁を呼び寄せた。これで晴斗は戦える。



都内某所。澪は光を庇いながらクロスボウで攻撃するもなかなか当たらない。
その隙に怪人は2人に攻撃。澪もダメージを受ける。

ヒーロー活動している2人だが、素人にはかわりなく戦闘スタイルなんてものはない。だから敵に簡単に読めてしまう。


2人がいる周辺では被害が出始めていた。爆発音と悲鳴。



その頃いちかは両手首に装着した改良型ワイヤー展開装置で、宙を飛んでいた。
ワイヤーを展開し、建物に引っ掛けることである程度の空中移動が出来るように。

従来型のワイヤー展開装置では高度の跳躍なんて出来ない。この装置を改良したのは宇崎だった。
最近、研究室に籠っていたのはこれのため。


「いいよな〜、お前は空飛べてよ〜」
御堂からの通信。

「ワイヤー同時に複数展開出来るようにもして貰ったからね!あたしじゃないとこれは無理っすよ」
「『絃(いと)使いのイチカ、見参!』…ってか」

「たいちょー決め台詞取らないで〜」



都内某所では2人がなんとか抗うものの、圧倒的な強さには勝てず。
人間態ってこんなにも強いの!?太刀打ち出来ないじゃん…。

よく見るとその怪人は戦闘員クラスをいつの間にか出現させている。
こいつははぐれ怪人じゃない…!


そんな中、御堂は自前のカスタム銃で遠距離から怪人に向けて発砲。弾は当たらなかったが、かすったらしい。
怪人は御堂の方向を見た。

「お前達なの?『自称ヒーロー』さん。初めてか?人間態相手はよ」
「だ…誰ですか…?」
澪は恐る恐る聞いた。

「ゼルフェノア本部隊長・御堂和希だ」


た…隊長!?この口の悪い人が隊長!?


「いちか、晴斗。さっさと片付けてしまおうか。いちかは市民の避難誘導先によろしく。被害を広げるわけにはいかんでしょ」
「ラジャーっす」

いちかはワイヤーを展開し、早く辿り着くと混乱する市民達を避難させている。
戦闘員がじわじわ来てるっすねぇ。早いとこ完了させないとな。


「2人も逃げて!」
「…怖くて腰が抜けてしまって…」
光は涙声。澪も怯えてる。


「いちか!避難完了させたか!」
御堂からの通信だ。
「この2人だけっす、後は。腰が抜けて動けないみたい…」

「いちか、お前ヒーローに憧れてゼルフェノアに入ったんだろ?その2人に見せてやれ!」
「ラジャー!」


いちかは迫り来る戦闘員複数に対して一気にワイヤーを複数展開→辺りに張り巡らす。
「戦闘員さん、こっちだよ〜」

いちかは挑発。戦闘員は一気にやって来たが、いちかは平然としている。
「光さんと澪さん、直視しない方がいいかも」
「…え?」
「ワイヤーめっちゃ張ったから、スプラッターになるのね。平気なら見てもいいよ。…でも中学生には刺激強いかな」


それから数秒後。いちかは一気にワイヤーを引く。戦闘員はワイヤーでバラバラに斬れ、まとめて倒される。

「ごめんね。これが現実なの。あたしもヒーローに憧れてゼルフェノアに入ったんだ。自分の必殺技が欲しくて訓練したし、鍛練もしてる。
結果的にワイヤー使いになっちゃった。このワイヤーは斬る以外にも使えるから役には立ってるんだ」


中学生2人からしたらいちか周辺の光景はショッキング。御堂から怒号が。

「何スプラッターにしてんだよ!手加減せいよ!」
「そんな暇ないじゃないですか。たいちょーと暁くんはどうなの?」
「今、ちょっと劣勢」

「いちか、援軍行きまーす!」


いちかは御堂と晴斗の元へ向かう。光と澪は御堂とあの高校生隊員が気になっていた。
あの制服…高校のだ。あの人…高校生隊員!?


「晴斗、発動させなさいって」
「ここ都心でしょ?シールドシステム起動させなくていいの?発動させたら衝撃波で被害拡大するよーっ!!」

「聞いていたよな、鼎。シールドシステム起動してくれ。じゃないと晴斗の発動は使えない。
それまでに俺といちかで持たせるから」
「わかったよ。シールドシステム起動!」


鼎は被害を最小限にするべくシステム起動させた。ゼルフェノアが首都圏に構築した、シールドシステムは設定を変えれば範囲を変えることが出来る。
彼女は既に頭の中に場所を叩き込んでいた。


「シールド範囲、半径3qに設定しておいた。これで持つか?」
「鼎さん、ありがとう!」
晴斗の通信だ。



都内某所では晴斗がブレードを使い、発動させる。
久々の発動だが、そこは慣れていた。

「恒暁、行くよ!」
晴斗は刀身が発光するブレードを使い、一気に攻撃。
発動するブレードには怪人も抵抗出来なかったようだ。


「ふ〜。片付いたっと。晴斗、拉致ってわりぃな」

「いきなりすぎるよ!このパターン初めてだよ!?御堂さん、まさか鼎さんが俺を呼んだの!?」
「そうだよ。鼎がお前を必要としていたの。だから拉致ったわけ。文句があるなら鼎に言え」

「…ありません」
「…だろうなぁ」


いちかは光と澪を見た。2人は隊員のハイレベルな戦闘を見て目が覚めたらしい。
「やっぱりもう、やめようよ。ヒーローごっこ。本物には敵わないよ…なにあれ…次元が違う」
「でも仮面の司令補佐が道はあるとか言ってたよ」

「それ…本当なのかなぁ」


御堂は晴斗を2人の前に突き出す。
「こいつが本部の高校生隊員・暁晴斗だ。ガキでも隊員になれる世界なの、ゼルフェノアは。これでわかったか」


口…悪いなぁ…。本当に隊長?銃の腕はものすごいけど。


3人は戻って行った。仮面の司令補佐に口の悪い隊長…ゼルフェノア本部、癖強くない?

光と澪はヒーロー活動をきっぱり辞めることに。



本部では。宇崎と彩音が烏丸と西澤、行きだけ同行した調査員の都賀屋を迎える。

「よく来たね〜、大変だったでしょう。都賀屋はもう帰るのか?」
宇崎、営業スマイル。
「本部にいると落ち着かないので…」


組織調査員は任務がない時は基本的に、拠点となる場所にいないと落ち着かないらしい。


司令室に西澤と烏丸を通す。あらかじめ桐谷を司令室に入れていた。

「烏丸さん、本部で会うのは久しぶりですね。疲れたでしょう」
「は、はい…」


鼎は帰還する御堂達の映像を見ている。彼女達のヒーローごっこは終わった模様。中学生に振り回される対怪人組織って、変な構図すぎるだろうが…。


彩音は本部の奥にある宿泊棟を案内した。

「烏丸さん。着くのが予定よりもだいぶ遅くなったから、泊まってけって室長が言ってるんだけど…。部屋は綺麗だし、寝具も手入れされてるから安心して」
「あ、ありがとうございます」

「緊張してるよね。桐谷さんとたくさん話して。烏丸さんが頼れる先輩は本部には桐谷さんしかいないって聞いたから…」
「…久しぶりの本部だから、どうしたらいいのかわからなくて…」


「相談ならいつでも乗るよ。烏丸さん、元は本部隊員なの知らなかった。ずっとゼノクにいるからわからなくて。何かあったの?」
「…ごめんなさい。まだ言えないです」

「桐谷さんなら言えるってことかな?私はお邪魔だったみたい。でも気になったらいつでも呼んでね。
烏丸さんと西澤室長は泊まりだから明日1日で何か掴めるか…なぁ…」


烏丸はかなりの戸惑いを見せる。

「宿泊棟、静かですね」
「普段は泊まる隊員いないからね〜。今はまあ平和になったぶん、夜勤の隊員が泊まることがなくなったのもあるよ。夜勤はなくなったからね」
「この宿泊棟、女性用ですよね」
「うん。下の階は全て男性用だよ。女性隊員は滅多に泊まらないから宿泊棟の部屋数が少ないって聞いたな。女性用フロアが烏丸さんだけって大丈夫?もし心配なら私も今日、本部に泊まるよ。不安でしょう」

「彩音さん…」


烏丸は相当不安だったようだ。宿泊棟女性用フロアにたった1人って、セキュリティがいくら万全とはいえ不安にもなる。


「彩音さん、一緒に泊まってくれませんか…?」
「いいよ。烏丸さんはゼノクスーツの着替え…持ってきてないか…。予定が狂っちゃったから…。廊下の洗濯機は自由に使っていいよ」

「ないですね。ないと本当に不安で不安で」
「替えのスーツがないとキツいもんな〜。ちょっと聞いてくるね」


彩音は宇崎に連絡。

「烏丸のゼノクスーツの替えがあるかって?司令室に西澤いるから聞いてみる」


少しして。


「あるって。西澤は一応予備持ってきてたみたいだよ。色は選べないけどいいかな?…って聞いてる」
「烏丸さん、OKだって。1日だけだからスーツの色は気にしないって言ってました」

「本部にいるから気にしなくていいもんな。彩音、烏丸を頼んだよ。明日は桐谷がメインだけどね。サポートよろしく」


episode4 ヒーローごっこ(中)

近頃噂になっている、「自称ヒーロー」の少女2人。解析班のおかげで彼女達の秘密基地的な場所を突き止めることに成功。

鼎と霧人は無謀にも行くことに。



自称ヒーローの秘密基地は都心にある雑居ビル。


「雑居ビル…?意外だな。どうやって活動してるんだ…。情報が正確なら、平日の今の時間帯はいないはず」
「中学生だから学校行ってる時間帯か」

「とりあえず様子見だ。少し離れた場所で観察だ」
「はいはい」
この日の霧人はいつものバイクではなく、乗用車。組織車両だが、エンブレムがマーキングされていないタイプのものに乗っている。


小一時間後――

「あれじゃないのか?自称ヒーローの2人。少女だな…」
「一見普通の中学生にしか見えないけど。ビルの中に入ってったぞ。鼎、どうするんだ」

「まだ様子見だ。解析班から情報が次々来ている。このビルの1階にいるらしいな」
「誰が場所を提供してるのか、謎が深まるな〜」
「明らかに大人だろうよ。武器の調達もおそらくそいつらだ。西澤の話では2人とも身体能力が高い晴斗タイプだと聞いた」


晴斗タイプねぇ。その晴斗は今どうしてんだろうな。



晴斗は高校ライフを満喫中。高3の晴斗は青春を謳歌していた。


鼎さん…元気かなぁ。会いたいなー…。


なんだかんだ鼎が気になる晴斗。
晴斗は既にゼルフェノア隊員(学生なので一時隊員)なので、卒業すれば正式に組織の制服が支給される。



都内某所・雑居ビル1階。


「はぐれ怪人、都心にばかり出てるな〜。なんでゼルフェノアは動かないのか…」
自称ヒーローのひとりの快活そうな少女の名は光(ひかる)。

「前に比べたらかなり減ってるのもあるんじゃないの?」
自称ヒーローのもうひとりのおっとり系の少女の名は澪(みお)。


「私達が『代わりに』倒してあげてるのにね〜」
光はかなり勘違いしている模様。澪も気づいてない。


鼎と霧人がいよいよビル内部へ。2人がいると思わしき部屋のドアをノックする。

光は仲間だと思い、油断してドアを開けてしまう。
「あ…あの……ドチラサマデスカ…?」

光はドアの向こうにいた人間2人が白い制服のゼルフェノアだとわかり、カタコトになる。
ひとりは男性隊員だが、もうひとりは女性。白い制服の上から黒い薄手のコートを羽織っている。特徴的なのは白いベネチアンマスク。女性で白い仮面…なんでこの人が!?

よく見ると女性の制服…デザインが若干違う。


「ぜ…ぜぜ……ゼルフェノア!?澪ちゃんゼルフェノアの人達来てるよ!」
鼎はしばし、間を置いてから言った。


「お前達か?『自称ヒーロー』を名乗っている少女2人は」
「それが何か?」

光は気が強い。内心鼎を見てびくびくしているが。
仮面の司令補佐が一体何の用で来てるのよ…。仮面で顔が隠れているだけなのに、圧を感じる…。


「私はただお前達の目的が知りたくて来た。ヒーローごっこは楽しいか?」


ヒーロー「ごっこ」って。私達は遊びでやってるわけじゃない!


「言えないのか?」

「私達は遊びでやってません。ゼルフェノアが全然動かないから…代わりにやっているんですっ!!」
「光っ!!落ち着いて!!」
澪が止めにかかる。


「お前達…勘違いしているな。今この時も組織は動いているぞ。ゼルフェノアを舐められては困る。
お前達は人間態にならないはぐれ怪人ばかり倒しているらしいが、人間態相手は戦ったことがなさそうだな…」
「に…人間態……。あんなの区別つかないよ…」

光から本音が次々出始める。怪人人間態は一般市民など、素人には判別が難しい。


「お前…私を見て反応したな。私が何者かわかっているようだが」
「か…仮面の司令補佐……ですよね…?なんでそんな偉い人が…」

「偉くもなんともないぞ、ただの補佐なんだから。肩書きだけで判断するな。
副司令よりも下だぞ私は」

こんなことをさりげなく言ってるが、本部には副司令は最初からいない。鼎はハッタリをかました。ハッタリかます鼎は非常に珍しい。


「素質があるなら組織に入ればいいだろうに」

何言ってるの、この人!?勧誘?
光と澪は鼎の予想外の発言に驚く。


「そのリアクション…どうやら知らないみたいだな。
ゼルフェノアは『中高生隊員大歓迎』だぞ。一時隊員という扱いになるが。
現に高校生隊員はいる。素質があれば隊員になれるチャンスはいくらでもあるんだよ」

「嘘…知らなかった…」
「私達知識足りてなかった…」


「人間態を倒したことがないとは…まだまだだな」
「あ…あの司令補佐」
光はこの際だからと聞いてみた。彼女は度胸ある。
「なんだ」

「仮面の理由って…本当にあの公表した内容そのままなんですか?戦えない理由も…」
「顔の大火傷の跡のことか。体にも火傷の跡は残っているがな。身体はぼろぼろだ」


だから手袋履いてるんだ…。首筋に火傷の跡が見える。顔はそれ以上なのか。


「お前達が自由に怪人を倒したいのなら、勘違いなんてやめることだよ。それから好きなようにしろ。
言っておくが…ゼルフェノアは最前線の隊員以外にも多くの人間が関わっている。縁の下の存在は知らないだろう」


縁の下…?


「調査員や諜報員達のことだ。最前線で戦う隊員はほんの一部に過ぎない。航空・海上基地も自衛隊や海保と連携している」


光と澪は特務機関ゼルフェノアが大規模な組織だと改めて知らされた。中学生には少し難しかったか?
本部・支部・ゼノクだけじゃないの!?

鼎はあえて宇宙局のことは言わなかった。一般市民にはほとんど関係ないからだ。表向きは宇宙科学の研究機関ということになっているため、ゼルフェノア宇宙局はわかりにくい。
裏の特殊請負人のことは言う必要性がない。憐鶴(れんかく)に影響が出たら困るからだ。


しばらく話をした後、鼎と霧人はビルを出た。


「ヒヤヒヤした〜。鼎、よくあそこまで突き通したな」
「相手が話通じるやつで良かったよ。あの2人は考え直すのではないか?
学生でも隊員になれると言っておけば、勘違いもなくなるだろうよ」



都内某所・雑居ビル1階。


「光…どうする?予想外のことが起きちゃったね」
「私…自分を正当化して怪人に私刑をしたかったのかもしれない。はぐれ怪人に友達やられているし。復讐したかったのかなぁ」

「あの仮面の司令補佐…見た目は怖いけど、意外と優しかったね」
「澪ちゃん、人を見た目だけで判断したらダメだよ。
だから私…どうしても確かめたくて聞いたんだ。司令補佐の仮面の理由。あの人…本当は色々とあるのかなーって」

「組織の裏側を少しだけ垣間見た気がする…」
「ゼルフェノア、思ってたより組織でかくない!?調査員なんて知らなかったよ!?」
「他にもありそうだよね…縁の下の存在…」



本部・司令室。


「お前らおかえり〜。うまくいったのか?」
宇崎はフランクに聞いてる。
「あいつら2人は予想通り、勘違いしていたよ。言動から察するに、光という子ははぐれ怪人に私刑をしていたみたいだが。澪は光の友人のようだった」


鼎の洞察力は目を見張るものがある。宇崎は密かに司令室のモニターでモニタリングしていた。


宇崎は西澤から連絡が入る。

「烏丸落ち着いた?本部行けそう?」
西澤少し疲れてる。
「ようやく落ち着きましたよ。本部にはゆっくり行きますね。調査員の都賀屋も同行すると言ってます」
「なぜに調査員が?」

「パニック起こした烏丸を介抱していたんですよ。ずっと。彼女、それで安心したみたいで。
だから行きだけ都賀屋を連れて行きたいなーと」
「烏丸のためならいいよ」


調査員の都賀屋って…あいつもパニック持ちじゃなかったっけ。元隊員だ。
都賀屋は電車や飛行機に乗れないレベルだったはず。

宇崎はPCに調査員リストを出し、新宿周辺を拠点にしている調査員を見た。やはりいる、都賀屋が。
調査員は人数が多いため、拠点にしている場所や地方で検索をかける。ゼルフェノア調査員は全国にいるからだ。



新宿周辺・ゼルフェノア調査施設。

「では、私も同行しますね。烏丸さん、大丈夫ですよ。大丈夫。怖がらないで」
都賀屋も後部座席に座り、烏丸の手を優しく握る。烏丸はゼノクスーツ越しだが、なんだか嬉しかった。
薄い布1枚隔てただけなのに。


「都賀屋、慣れてるな〜」
西澤は車を出す。

「調査員は調査だけが仕事ではないので。他にも色々してますよ。ゼノクスーツ着用者の交流会とかも実施しています」
「だから慣れてるのか…」


「本部へゆっくり行くから安心しなさい。都心さえ抜ければもう大丈夫でしょう」
烏丸はうなずく。都賀屋も元隊員なんだっけ…。色々あって調査員になったらしい。


「烏丸は桐谷に会うの、本当は楽しみなんじゃ…」

烏丸はずっとうつむいたままだがようやく顔を上げた。ゼノクスーツ特有の顔全体を覆うのっぺりしたマスクのせいで、顔は一切見えないが…。


「嬉しいですけど複雑なんです…」
なんとか彼女は声を出した感じだった。

「ゼノク職員のスーツ依存は烏丸さんだけじゃないし、一般市民でもちらほらいると聞くからそんなに深刻にならないで。
古巣に行けば何かしらヒントはあるんじゃないかなぁ」
「都賀屋さん…そうですよね…」


「烏丸…本当に悪かった」
「…もう、いいんですよ。過ぎたことですし…」
「現在進行形じゃないか…。休日でもゼノクスーツはよほどだぞ。まぁそれでいいって人もいるのも事実だが」



episode4(下)へ。


寝つけなかった


話題:おはようございます。
昨日の拍手9個ありがとうございます。昨夜なかなか寝つけなかったです。なぜだ。


ゲトレが次回で終わってまう…。次回予告テロップで「衝撃のラスト」と出ていたんだが、捕まるエンドになりそうな予感。バッドエンド、良くてもビターエンドと予想してみる。
ジョーカーが警察になんか取り引きを持ちかけるっぽいけど、それと関係すんだろうか。

沢村一樹が副総監役ってヤバくないか?警察組織の上から数えた方が早い階級じゃん。
1話に出てきためちゃくちゃ感じ悪ーい患者がまた出てくるとは思わなかったけど。えーと…副総理だっけ?あのジジイ。警察が捜査する事の発端となったやつな。


剣持、やっぱりエースの正体に気づいてたのか。なんとなくそんな感じはしてましたが。序盤から匂わせていたし。

ゲトレ、警察のシーンが終盤になって演出がシリアスにようやく統一されたけど…なんなら最初から警察のシーンはシリアス演出にしてくれよと。堤幸彦演出が好きなだけになんか惜しい。


占い師POCが久々に出た気がするが、ジョーカーからぼったくってるのは変わらずなのね。…てかここに来てPOC様が本音を言いおったな。

シリアス関係ないシーンでは小料理屋のシーンが後半増えていただけに、占い師がシュールに見える…。
小料理屋のシーンは序盤からあったな。占い師は不定期だけど。


脚本家の名前見てるとゲトレ、意外と女性脚本家が多い?
BGMは好きなんですよ。あのタイトルバックのテーマ曲とかそのピアノアレンジとか。音楽ノグチリョウだっけ?



むしろ、大病院占拠の方が気になってる逆転現象が起きてます…。結果的に面白いってことでいいのか?ツッコミを楽しむドラマだから、あれは。
病院にないはずの地下4階とP2計画の謎、病院の罪がまだ残っているせいかと…。終盤暴いてくれよー。

ダメドラマでも考察要素が入ると観てしまうよね…。見事にハメられました。櫻井翔の演技はあれですが、あの独特のBGMが癖になってる。
鬼=仏教だからか、お経っぽいコーラスとガムランかな?…のBGMが使われてるよね。

大病院占拠のテーマ曲的なBGM。音楽ゲイリー芦屋だっけ。


警察と人質の中にいた鬼が意外な人だったし。人質は意外すぎるよ。
8話終盤で新たな鬼が出てたが、そいつも暴かれないともやる。フラグ回収しておくれー。


鬼役も意外な人が出てるからか、新たな鬼が出ると演者が気になる現象。
菊池風磨と忍成修吾は悪役ハマりすぎ。どちらも他のドラマでも悪役やってますからね〜。


菊池風磨はトモダチゲームの時も嫌な感じの運営演じてたな〜。主人公に対してじわじわ圧かけてくる感じの頭脳派な運営役。
大病院占拠の青鬼も頭脳派だからか、菊池風磨は頭脳派な悪役がハマってんのかも。

忍成修吾はギーツのギロリですかねぇ。最近は。刑事ドラマのゲスト俳優にも出がち。だいたい犯人役。
ギーツの場合は、ギーツを貶めるために不正するゲームマスター役ってのがハマりすぎだろうて。


ぶっちゃけギーツは序盤が面白かったが、中盤になって失速した?新生デザグラになってからつまらなくなったよなー…。ゲームマスターのチラミがうざいのもあるかと…。
3クール目入る前後に欲望の塊的なベロバが出たおかげで、若干展開は面白くはなってはきたけど…英寿のキャラ的にいまいち好きになれないです。英寿好きな人、ごめん。

ジーンもいまいち好きになれないんだよな〜。推しの「感動のため」だけに戦うって理解出来ない。
もうちょい別な理由はなかったのか?運営やオーディエンスは未来人だから、現代人の感覚が通用しないのかもしれない。

タイクーンとナーゴ推しの人はけっこういそう。タイクーンはだんだん熱いキャラになってんのもあるのかな。
景和は序盤がめちゃくちゃ頼りなかっただけに、タイクーン成長しすぎ。のびしろあるの、タイクーンとナーゴでは…?

バッファは序盤に比べたらかなり荒々しくなってるけど、元からそういうやつだったわ…。バッファは龍騎でいう王蛇ポジションですよね、明らかに。
ライダーぶっ倒すためなら手段問わないあたり。バッファ推しも多そう。悪のライダー好きはいますから。



自己満小説日常編episode4は異色カオス回。シリアスだからカオス感は少ないですが。
もし、対怪人組織とプリキュア的な少女(変身しないけど)が対峙したらどうなるか?…の異種格闘回。


自称ヒーローの少女2人のイメージはひろプリのソラとましろ。ふたプリのなぎさとほのかみたいなイメージ。快活な子とおっとり系。
変身しないあたりは変にリアルにしてます。武器どこから調達してんだ問題はあるが。

ヒーローまがいのことをしているガキ相手に鼎がどう出るか、めちゃくちゃ考え中。話が通じなかったら敵認定する発言は鼎さんらしいけど。
自称ヒーローの2人はゼルフェノアが仕事してないと勝手に勘違いで活動してるからな〜。ガキなんでこいつらは知らないだけなんです。組織の裏側を。

このガキ2人はゼルフェノア隊員に学生が入れることを知らない。高校生隊員は既にいますが、中学生も素質があれば入れる設定なんだよ…。


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