先日テレビでやっていたネタより。
ただ正確には恋人間での手紙のやり取りらしいんですがね;
若干落とし所を逸しましたorz
「んんぅ?」
「どうしたの。」
首を傾げる私にマシューが優しく問い掛けた。
「差出人の名前が無い。」
封筒にも中に入っていたカードにも。
「…あ、それはね」
私がカードと封筒をヒラヒラさせれば、マシューが笑った。
「名前を書かないのが粋なんだってさ。」
「粋?」
「うん。男性から女性に贈り物をする時の粋な計らい。
熱い想いこそ密かに伝えるっていう騎士道精神に基づくものらしいよ。」
「へぇー。」
マシューは博識だなぁ。
「紳士だねぇ、アーティーは。」
そう言えばマシューは驚いた表情を見せた。
「アーサーさんからだって、解ってたの?」
「そりゃ、まぁ…」
文面に視線を落とす。
其処には英語で『マシューを頼む』と一言。
こんなことを英語で書いて寄越すのは英国紳士様位だ。
「アルのことばっかかと思ってたけど、ちゃんとマシューのことも気にかけてんのね。」
「何て書いてあるの?」
私がニヤリと笑って言えば、マシューが不思議そうに問い掛けてきた。
「ひーみつー。」
「えー。」
「さ、ティータイムにしよっ!」
少しだけ口を尖らせているマシューを置いて、私はキッチンに足を進めた。
(後日、フランソワからも仏語で似たような手紙が来た。)