これで、ようやく終わりです!
長編的には始まりなんですけどね…。
灰谷姉設定夢主は、3人いるんですが(何)
最近はこの百合さんではなく、蘭と双子の姉の櫟ちゃん(と書いて「いっちゃん」と読む)とか、ム三の平和三角関係ちゃんがちょっと熱いです。
でも、百合さんを書きたい、から書きました。
百合さん、姉も弟達も、双方ど甘々なので、癒される。幸せな世界。
この話のやり取りの間、ココは付き合いきれないから履歴書熟読してると思う。
「さて、無事に姉さんの再就職が決まったところで…俺達、姉さんに謝らなきゃならないことがあるんだ。」
「どうしたの、蘭?」
先程とは一転、神妙な面持ちをした蘭に、女弁護士は心配そうに首を傾げた。
「姉ちゃん、ごめん!」
「竜胆?」
姉の小さな手を、自分の両手で包んで竜胆が勢いよく頭を下げた。
「実は、家のリフォーム、まだ終わってないんだ。手摺は概ね付け終わったんだけど、水回りと扉の交換はもう一寸かかりそうで…。」
「姉さんが来る前に終わらせるつもりだったんだけど…正直こんなトントン拍子で姉さんが帰国出来ると思ってなくてさ。」
「業者には急がせてるから!でも、まだ何日かはかかると思う…。」
眉を下げた弟二人に、女弁護士は少し驚いてから目を細めて笑った。
「二人とも忙しいのに、私のために有難う。当初予定より随分早く着いてしまって、ごめんなさいね。早く二人に会いたくて。」
「それは俺と兄ちゃんも一緒!」
「俺と竜胆も、1秒でも早く姉さんに会いたかったよ。」
両側から手を取られ、こつりと優しく額が寄せられる。
「私は大丈夫だから、工事はゆっくり進めてもらって。突貫工事で後々問題が出るより、適切な日数をかけてしっかりやってもらう方が良いでしょう。」
「そしたら、工事終わるまで姉ちゃんどうするの。」
「ホテル暮らしね。折角だから、東京でバリアフリー設備の評判が良いホテルを転々としてみようかしら。」
「姉さん、それ、俺等も一緒じゃダメ?姉さんの分のホテル代も出すし。」
「うんうん、一緒に居ようよ、姉ちゃん。漸く一緒になれたんだから。」
「工事の進捗は、交代で確認しようぜ、竜胆。」
「交代ね、兄ちゃん。俺ばっかに押し付けないでよ!」
ムッと睨む竜胆に、蘭は笑う。釣られて女弁護士も小さく笑った。
「バリアフリーは当然として、飯も美味いとこにしようよ!姉ちゃん、何食べたい?やっぱり和食?寿司、鰻、河豚、天ぷら…は油物だから、あんまり食べられない?」
「大丈夫。月に何回かチャイナタウンで中華食べてたら、油物も問題なく食べられるようになったの。油物に限らず、全体的に昔より食べるようになったわ。今は、一人前はちゃんと食べられるのよ。」
「わ、まじ?俺、姉さん連れてきたい店いっぱいあるんだけど。あんまり食べないから気にしちゃうかなって思ってたけど、心配なさそうじゃん。」
「俺も姉ちゃんと行きたい店いっぱいある!」
「二人のおすすめのお店ならとっても美味しそう。楽しみにしてるわね。」
「今夜はどうする?姉ちゃん、何系が良い?」
「りーんど、今夜は流石にホテルのレストラン。姉さん、着いたばっかなんだから、早目に休ませないと。ってことで、一先ずバリアフリー対応で和食美味いとこのスイート押さえた。」
「有難う、蘭。」
「じゃあ、姉ちゃん、明日の昼?夜?今夜和食なら、洋食?中華?」
「りんどー。」
食い気味の末弟に、姉兄が笑う。
「大丈夫よ、竜胆。時間はいっぱいあるし、ご飯も何回でも食べに行けるわ。だって、これからはずっと一緒にいられるんだから。」
三組の紫瞳は、酷く幸せそうに細められた。