ツバサのグロサムさん夢です!
タイトルは、まぁ、「ジェイド国→ジェイド→翡翠」、で、「翡翠」の付く言葉で良さそうな感じのを選んだだけですw
「あなた。」
「どうした。」
「子供達、もうすぐ戻ってきますわ。」
妻の言葉にグロサムは眼を見張り、それから溜め息を吐いた。
「気休めなぞいらん。」
「あら、今迄私が気休めを申したことがありました?」
妻は微笑む。
「…いや、無い。」
「そうでしょう。」
グロサムは妻の微笑に少しだけ表情を和らげた。
「…だが、探しにいかないわけにはいかないだろう。
20人以上も、しかも最初の子に至ってはもう二ヶ月だ。早く見付かるにこしたことはない。」
「あなたらしいわ。」
そうしてグロサムは出掛け支度を始めた。
「あなた。もう一つ。」
「何だ。」
コートを羽織るのを手伝いながら妻は言った。
「旅の方とは、仲良くなさった方が良いですよ。」
「あの小説家達のことか。」
「えぇ。」
「余所者は信用出来ん。」
「そう仰らずに。」
微笑みを絶やさない妻に、渋々グロサムは失礼な態度は取らないように心掛けると答えた。
「それでは行ってくる。」
「いってらっしゃいませ。」
「戸締りには気を付けるように。」
「はい。あなたも、ずぶ濡れにならないようにお気をつけて。」
妻の不思議な忠告に首を傾げながら、グロサムは子供達を探しに出掛けた。
(地主と黒い髪の美しい妻のお話。)