FGO×APH
今年は明るい話にしようと思ってました。
いっそ水着弓ジャンヌにしようかとも思いましたが、裁定者にしときました(笑)
アポクリファは、FGOコラボ程度しか知識がないので、ジーク君のことはスルーです。
タイトルは思い付かなかったので、昨年との対比的な。
人理修復後の、暫しの日常の一幕。
客人だ、と言われたものの、応接室ではなく、ミーティング室に呼び出されたところをみると、何か事情のあるお客人なのだろう。マスターは、ゆっくりしてきて良いよと仰っていたが。
少し緊張しながらノックをして名乗れば、室内から何かが落ちるような大きな音がした。自動で開いた扉に、恐る恐る中を覗き込めば、机の向こうに柔らかな金色が見えた。
「あの」
屈んでいるのか転んだのか、金色の髪の主に呼び掛ければ、その方は机に手をついて顔を覗かせた。
「や、やぁ。」
「…まぁ!」
軽く挙げた手は、震えていて。
綺麗な顔に浮かべられた笑みは酷く緊張していて。
あぁ、確かに事情のあるお客人だった。
「祖国。」
呼び掛ければ、凄く、凄く驚いたような反応をして、それから、表現がくるくると複雑に変わり出した。嬉しそうで、悲しそうで、笑いそうで、泣きそうで、朗らかそうで、苦しそうで。
「…ジャンヌ。」
「はい。」
微笑んで答えれば、結局、愛しき人は泣き出してしまった。
名前を呼ばれたり、謝罪されたり、感謝されたり、断片的にしか解らない言葉が続く。
そして、突然ばっと何かが差し出された。
大きな白百合の花束。
「あのっ、俺、その」
「ありがとうございます、祖国。」
涙や鼻水でぐちゃぐちゃになっても、それでも綺麗なお顔であるのは流石である。
「大丈夫です。言葉は要りません。だって、ずっと見守っていましたから。」
私の言葉に、また祖国は泣き出してしまって。
私は思わず、笑ってしまって。
「改めまして、お久し振りです、フランス。」
あぁ、数百年ぶりの再会に、何を話そうか。