もうダメだ。
カナちゃんに癒されたい。優しくされたい。
という結果です(何)
ぐっだぐだ…。
「大丈夫?残業続きで疲れがたまってたもんね。」
過労で倒れ、ベッドでうだうだとぐずる私に、カナは優しく話しかけ、そっと口に入りかけていた髪をすいてくれた。
「おうちに帰りたい。」
「日本?」
「うん。帰りたい。」
ぐずぐずと我儘を言えば、マシューは困ったように眉を下げた。
「今は無理だよ、熱があるとなったらなおのことね。」
「帰りたいいい。」
「菊さんに頼めばこっそりなんとかしてくれるかもしれないけど、そうだとしても、まずは体調を回復させないと。」
「帰りたい。日本のご飯が食べたい。日本でウィンドウショッピングしたい。」
38℃近い熱に魘されながら、私はぶんぶんと首を振った。
「菊さんが送ってくれたお菓子、食べる?」
話をそらすように、カナちゃんは笑って問い掛けた。
「食べたくない。」
イヤイヤ期としか言いようがない私に、マテュウはただただ苦笑した。
「じゃあ、お茶入れようか。スポーツドリンクも飽きたでしょ。日本茶にしようか。」
「めいぷるてぃーが良い。」
「紅茶で良いの?」
「カナのいれてくれるめいぷるてぃーが良いぃい。」
だって、カナの淹れてくれるメイプルティーは、カナの優しさの塊だから。
「じゃあ、淹れてくれるね。」
「あれ、じろーさんは?」
「紅茶持ってくるときに、クマ二郎さんも連れてくるね。」
「うん。」
柔らかく笑って、カナちゃんは掛け布団を直してくれた。