アニメ8話Aパート
夢主は、レイガ様と同じ位、ゲシュテル様のことも好き、なのだけれど…という話です(何)
実質3話連続です。いつ書き終わるかね。
「フランが此方にゲシュテル様をお連れするそうです。」
メールを確認したエリザベスの報告に、ライジェルは頷く。
次にそわそわとし始めたエリザベスに、ライジェルは首をかしげた。
「マスター、わたくし、少し出て参りますね。」
そういうとエリザベスはいそいそと部屋を出ようとする。
「ゲシュテルとは知らぬ仲でもない。此処にいれば良い。」
「えぇっと…」
「ゲシュテルも喜ぶだろう。」
「………。」
言葉に詰まったらしいエリザベスを、ライジェルは静かに見詰めた。
「…未だお話していなかったのですが、実は、ですね…」
ライジェルから視線を外して、エリザベスは口を開いた。
「ルケドニアを出る際、わたくし、ゲシュテル様にご挨拶に伺わずに出てきてしまいまして…あ、フランは挨拶に参りましたので手紙を預けはしたのですが………ちゃんと渡してくれたかどうか…」
「ふむ。」
「レイガ様と並んで、ゲシュテル様には大変お世話になりましたのに、余りに無作法だったな、と…こう顔を合わせるのが非常に後ろめたく…」
気まずそうに声が小さくなるエリザベスに、ライジェルは頷いてみせた。
「エリザベス。お前の心の準備ができたら、顔を見せてあげなさい。」
「…マスター。」
「勿論、ゲシュテルが帰る前に、だ。」
「は、はい!マスター。」
主の言葉に安心したように、エリザベスの顔に笑みが浮かんだ。
「では、わたくし夕飯の材料を買って参ります。今夜はゲシュテル様のお好みのものを作りますので、マスターからも召し上がっていかれるよう勧めてくださいませ。」
「あぁ。」
「では、行って参りますね。」
賑やかに飛び出していったエリザベスをライジェルは微笑ましく見送った。