アニメ8話Aパートその2
連続3話と思ってたら、4話でした。
8話Aパートで3話、9話Bパートで1話。
一応、イメージとしては、今回と次回が対の話です。
フランに比べると、夢主のことはわかりやすく可愛がってるゲシュテル様です。
あと、ゲシュテル様が泊まることになる流れを考えるのが楽しい。マスターからが一番スムーズだろうけど、フランからでも良い。嫌だ嫌だと言いながらも気を使うフランもあり(笑)
※3/11一部修正
「して」
ライジェルとの話が一段落したところで、ゲシュテルは改めて部屋を見回した。
「エリザベス…エリザベス・メアリーも此処にいるものと思っていましたが。」
「人の妻の名前を軽々しく呼ぶな。私の妻だぞ。」
「だからこそ心配なのだろう。」
フランケンシュタインの言葉に、ゲシュテルは大きく溜め息を吐いた。
「あの子は平穏無事に、息災にしているのか。」
「当然だ。あの頃と変わりない。」
「本当か?お前と二人きりでルケドニアから出ていくなど…手近な貴族がいなくなったお前に、実験台にされでもしたらと気が気ではなかった。」
「誰が愛する妻を実験台にするか。そもそも夫婦なのだ、マスターがいらっしゃらないならば、二人きりで何が悪い。」
自分がいても二人きりの時間をもっと大切にしてほしい。
そう思ったものの、ライジェルは口には出さない。
「では、肝心のエリザベスは何処にいるのだ。何も問題がないのならば、顔を見たいのだがな。」
「どうして愛する妻を、わざわざ他の男に会わせなければならない。私の妻」
「エリザベスは買い物に出ている。」
本日2度目のフランケンシュタインの言葉を遮り、ライジェルが答えた。
「夕飯はお前の好きなものを作る、と。」
「…それはそれは。」
「遠慮せず食べていくが良い。」
「マスター!」
「有難うございます、ライジェル様。」
勝ち誇ったように笑うゲシュテルに、フランケンシュタインはライジェルにバレないように小さく舌打ちをした。尤も、ライジェルにはバレている。
「ゲシュテル。」
「何でしょうか、ライジェル様。」
「エリザベスには、お前に会う意思はある。ただ心の準備が必要だそうだ。すまないが、少し待ってやってくれ。」
「…えぇ、構いません。むしろ当然というべきですかな。私の存在は、彼女にとって負担となるでしょうから。」
ゲシュテルは少し悲しそうに目を伏せた。
「心配することはない。エリザベスは、レジスやセーラとも上手くやっている。子ども達に囲まれ、日々楽しそうだ。」
ライジェルはカップを置いた。
「フランケンシュタインは変わりないと言ったが、ルケドニアにいた頃より、エリザベスは強くなった。今更、貴族に囲まれたとて、大きく動じることも拒絶することもない。それでも多少身構えてしまうのは双方を思ってのこと、気付かないふりをしてやってほしい。」
ゲシュテルは安心したように、笑みをこぼした。
「そうであるならば、彼女の成長は何よりです。先代ロードもお喜びのことでしょう。」
「…あぁ。」
ライジェルも微かに笑みを浮かべ、フランケンシュタインも何処か穏やかな表情を浮かべた。
しかし、そんなフランケンシュタインの表情は次の主の言葉で大きく変わることになる。
「ところでゲシュテル、いつまで人間界にいるつもりだ。泊まるところはあるのか。」
「マスター!?」
フランケンシュタインの叫びは、空しく響くだけだった。