今回は全部書く前に、きりが良いところであげる気になれました。
年下組(?)とのほのぼの(?)です。
午後の休憩にしようと背伸びをしていた女弁護士が、控え目に響いたノック音に答えれば、ゆっくりと扉が開かれた。
「こんにちは、鶴蝶くん。」
「こんにちは百合さん。そろそろ休憩だよな。」
「えぇ。今からと思って。」
「あの、良ければ一寸付き合ってもらえないか。」
「どうしたの?」
女弁護士が首を傾げてみせると、鶴蝶は薄茶色の紙袋を持ち上げながら口を開く。
「実はマイキーが昨日から食欲がないと言って、まともに食ってくれなくて。丁度今、出先であんみつを貰ったから、これなら口をつけてくれるんじゃないかと思ったんだが…百合さん、一緒に来て、上手く食べるように仕向けてくれないか。」
「私は構わないけれど。」
「あ、勿論百合さんの分もある。3個貰ったんだ。」
「じゃあ、鶴蝶くんの分もあるのね。」
「えっ…あぁ、まあそうだな。」
「じゃあ、3人で休憩にしましょう。」
微笑むと、机上のメモを手にする女弁護士。
「一寸待ってね、念のために一くんにメモ残していくから。まだ暫く帰ってこないから、鍵もかけないと。」
さらさらと書き付け、立ち上がった女弁護士は、隣の九井の机にメモを置いた。
「何か持っていった方が良いかしら。万次郎くんのところ、カップとかある?」
「コーヒーカップと湯飲みならいくつかあったはずだ。飲み物は、インスタントコーヒーとお茶と、あとは酒位しかないけど。」
「あんみつなら、煎茶があれば十分ね。ごめんなさい、鶴蝶くん膝掛けを持ってもらえる?」
「あぁ。他にも何かあれば持つ。」
「他は大丈夫。有難う。」
鶴蝶に膝掛けを託すと、女弁護士は微笑んだ。
「それじゃあ、万次郎くんのところに行きましょうか。」