霊狩やらPMやらにふらふらしてたところですが、本日魔法へ戻って参りました。まさに!本日!数時間前に!(何)
しかし、黒百合呪いの子世界線。原作7巻の話です。
すみません、名前変換ができないので、デフォ名「セシリア」で失礼します。
続きます。3話位かな。
「酷いわ、リーマス。」
縄に絡めとらえられ、床に倒れた姿ながら、セシリアは肩をすくめてみせた。酷いと言いながらも、口元は笑っている。
まあ、その酷いことをしたのは他でもない僕なのだけれど。
「ごめん。でも、こうでもしないと、君とは話が出来ないと思ったんだ。」
「こんなことだとは思っていたけれど。」
申し訳なさを感じながら、杖を振って身体を起こさせた。横たわったままよりは、床とはいえ座らせた方がまだ真っ当な扱いだろう。
ただし、縄はそのままだ。申し訳ないとは、思ったけれど。
「少し位、話せるかい?」
「まあ、少し位ならね。30分位かしら。もし、呼び出した通り貴方の子供に会わせてもらえるなら一時間位。」
「あぁ!それは勿論!」
僕が答えれば、セシリアは驚いた顔をした。
「会わせて、もらえるの?」
「勿論だよ。話もしたかったけど、テッドにも会ってもらいたかったんだ。待ってて、今呼んでくる。」
目を丸くしたセシリアを残して部屋を出ようとすれば、外から扉が開いた。
「ドーラ。」
「大丈夫そうだったから。」
ドーラはニッコリ笑って、腕の中の赤ん坊を僕に渡すとセシリアに近付いた。
「久しぶり、セシリア。」
「久しぶりね、ドーラ。元気そうで何よりだわ。」
「セシリアも案外元気そうだね。」
セシリアの前にしゃがみこむと、そっとその肩に手を置いた。
「ホントに、元気そう。ビックリ。」
僕に背を向けた状態だから、ドーラがどんな表情をしているのかは見えない。けれど、きっと悲しいような悔しいような表情で、それでも精一杯笑っているのだろう。
もし今日現れたセシリアが、やつれていたり、辛そうであれば、強引にでも此方に連れ戻すつもりだった。僕以上に、ドーラはそう意気込んでいた。
「リーマス。」
ドーラに呼ばれて、隣に屈んだ
「テッドよ。」
「ほら、髪の色が変わった!僕の、人狼じゃない、ドーラの七変化の性質を受け継いだんだ!」
「初めまして、テッド。私はセシリアよ。」
しかしながら今日現れたセシリアはとても朗らかで穏やかだった。
僕らがセシリアを連れ戻す理由も、必要も、そこにはなかった。