私がいない

心を預けていた場所が
姉の数秒間で壊されてしまった

誰にだって
壊させたくない大切なものがあって
失いたくなくて

私の唯一の物が
取り戻せないほどに壊されてしまった
もう二度と見ることができない

灰になった写真を
私の顔に投げつけられた


怒っていいはずなのに
私は姉の言い分を聞くばかり
姉は誤解したまま
二度と自分を隠し撮りするなよって
その写真は見なくてもわかってるんだからなって
変質者って
何故、私が姉を隠し撮りして持ち歩くと怒ったのか
その思考が分からない


思いこんだら それしかない
妄想が激しくて
気性が荒くて
人を思い通りに動かさないと
怒り狂う姉



悲しくて
腹がたって
しかたないの

憎らしくて
恨んでしまってて
だけど怖い
萎縮する

姉の顔を見たくない
声を聞きたくない

気持ちのままに叫びたい


悲しくて
喉が錆び付いていく