去年5月。
主人は焦っていたのかもしれない。
いや…一つの夢が壊れて…くさっていたのかも…
主人は老人に好意を抱いていた。
それは主人が祖母に育てられたことに起因しているだろう。
それで主人は、これを期にやってみたかった職にチャレンジしようと介護の資格を取った。
だけど研修の最中で、主人が抱いていた老人像は木っ端微塵に砕けたと言う…
それでも無事、資格は取得。
しかし仕事は無い。
介護は人手不足だと聞くが…現実は人を選ぶ。
40歳過ぎた男など要らない。と…まあ、そういうわけだ。
私は不安だった。
これから、どう生きていけばいいのか…
そんな私を見て、主人が私を負担に感じたのも責められないことなのかもしれない。
だけど…主人の一言で私が信じていたものはハリボテだったのだと気付いた。
主人は私を「お荷物」だと言った…
人は苦しい時ほど本音が出る。
いくら装っても…ね。
少なくとも去年の5月まで私は信じてた…信じるようにしてた。
主人の言う「愛」とやらを…
だからこそ我慢してきた部分もある。
だからこそ許してきた部分もある。
こんな身になっても私を見捨てない主人を尊敬してた。
「愛」って偉大だなぁ…と思った。
私には到底真似できない。
だからこそ私はいつも主人に悪いなぁ…と思い続けてた。
主人の望みは、出来るだけ叶えたいと思った。
でもそれも5月までの話。
私と主人は転機を迎えることとなった。
私の性格…主人の性格…
「足して2で割ると丁度いい」と精神科の医者にまで言われた相性…
だからこそ綻びるのか…
だからこそ転げ落ちるのか…
いつだって壊れる時は早い。
モラハラを行う者たちは非常に似通った性格を持っている。
その一つが他者を己と同じ生き物…人間だと思っていないところだ。
彼等にとって他者は攻撃対象であり、利用するモノであり、奴隷である。
そのため常識や倫理観に欠如が見られる。
また、彼等は己の常識が世界共通の常識だと決めている。
もう、信じているとかの段階ではない。
彼等にとってはソレが当然なのだ。
そして彼等は己を全く振り返らない。
そのせいだろうか…?
己が言ったことを殆ど覚えておらず、しょっちゅう記憶を捏造・すり替え…己に都合よく事実をねじ曲げる。
「根っからの嘘つき」とは、まるで彼等を指し示すためにあるのではと錯覚させる程だ。
しかし、そんな彼等を初見で見分けるのは難しい。
彼等は概ね、外面がよく積極的。朗らかだったり、親切だったり…とにかく好印象であることが多い。
また、弱者のフリが非常に得意で同情を誘うことも多々ある。
が彼等のそれらは全て獲物を誘う為の罠。見せ掛け。偽物である。
彼等は、そうやって他者に近付き、己の奴隷となる者を物色しているのだ。
■参考資料:書籍『困らせる人々』…だったはず…f^_^;