不調和音

当時の私は、体調が下降しだしたとはいえ、今より元気だった。
あまり眠れないことも相俟って、私は朝6時になると体を起こし活動していた。
我ながら、規則正しい生活だと自分で自分を褒めたほどだ。

だが、主人は違った。
主人の生活は、私からみて明らかに堕落していった。
ハロワにも、あまり行こうとせず、家事も放棄し、日がな一日ゲーム三昧。
(※うちは家事分担制です)
昼夜は逆転し、殆ど喋らず、偶に口を開けば不平不満。私は、それでも我慢しようとはした。ゲームだって「するな」とは言わない。
ただ、昼夜逆転してまですることか?
しなきゃいけないことを放棄してまですることか?
いつでも仕事に就けるように生活リズムは正すべきでは?
体力や筋力が落ちぬよう鍛えるべきでは?

そう思いながらも私は堪えた。主人にも考えがあるのだと堪えた。
だけど日に日に主人の生活は悪化していく…
傲慢な態度が目につき始め、身勝手さに拍車がかかる。
とうとう私は、主人のあまりの傍若無人さに堪えきれず口を開いてしまった。
すると主人は、ひとしきり私を罵倒した後、ふいといなくなり…その日はそのまま帰って来なかった…

勝手な人

主人が何も言わず出掛けることは、それまでも何度かあった。
その度に私は「一人で暮らしているわけではないのだから、一言告げてくれ」と言わなければいけなかった。

私は、そうじゃなくても不安なんだ。
もっと体が動くなら…と何度、自分の身を自分の行いを責めたことだろう。
あまりの不安に、また再び眠れなくなった。
上向きだった体調は一気に下降した。
私は余計に不安で…転職サイトを片っ端から読み、体が少しでも良くなるようリンパについて調べ、それでは足りないと専門学校の資料を取り寄せたりした。

また、私は今の社会で自分が通じないことを重々承知していたので、座学やビジネスマナーの無料研修会やパソコンの無料研修会に行きたがった。

そんな私は主人から見て…かなり鬱陶しい存在だったのかもしれない。
頻繁に転職情報や無料研修会をチェックする私を見て「責められている」と思ったのも無理はないことだったのかもしれない。

尚、当然のように私の希望は却下された。
私一人でも行こうと試みたなら、猛烈に怒り出す始末。
私は強行することも出来ず、ただただ不安を募らせていった。
※ワードやExcelを含み趣味の範囲でならパソコン扱えます。
ただネット環境がないので、ネット方面や正式なビジネス書類は無理かと…
それで行こうと思ったのですが…

主人の事情

去年5月。
主人は焦っていたのかもしれない。
いや…一つの夢が壊れて…くさっていたのかも…

主人は老人に好意を抱いていた。
それは主人が祖母に育てられたことに起因しているだろう。
それで主人は、これを期にやってみたかった職にチャレンジしようと介護の資格を取った。
だけど研修の最中で、主人が抱いていた老人像は木っ端微塵に砕けたと言う…
それでも無事、資格は取得。
しかし仕事は無い。
介護は人手不足だと聞くが…現実は人を選ぶ。
40歳過ぎた男など要らない。と…まあ、そういうわけだ。

私は不安だった。
これから、どう生きていけばいいのか…
そんな私を見て、主人が私を負担に感じたのも責められないことなのかもしれない。
だけど…主人の一言で私が信じていたものはハリボテだったのだと気付いた。
主人は私を「お荷物」だと言った…

亀裂

人は苦しい時ほど本音が出る。
いくら装っても…ね。

少なくとも去年の5月まで私は信じてた…信じるようにしてた。
主人の言う「愛」とやらを…
だからこそ我慢してきた部分もある。
だからこそ許してきた部分もある。
こんな身になっても私を見捨てない主人を尊敬してた。
「愛」って偉大だなぁ…と思った。
私には到底真似できない。
だからこそ私はいつも主人に悪いなぁ…と思い続けてた。
主人の望みは、出来るだけ叶えたいと思った。
でもそれも5月までの話。
私と主人は転機を迎えることとなった。

私の性格…主人の性格…
「足して2で割ると丁度いい」と精神科の医者にまで言われた相性…
だからこそ綻びるのか…
だからこそ転げ落ちるのか…
いつだって壊れる時は早い。

雑学)モラハラ性格者

モラハラを行う者たちは非常に似通った性格を持っている。
その一つが他者を己と同じ生き物…人間だと思っていないところだ。
彼等にとって他者は攻撃対象であり、利用するモノであり、奴隷である。
そのため常識や倫理観に欠如が見られる。

また、彼等は己の常識が世界共通の常識だと決めている。
もう、信じているとかの段階ではない。
彼等にとってはソレが当然なのだ。

そして彼等は己を全く振り返らない。
そのせいだろうか…?
己が言ったことを殆ど覚えておらず、しょっちゅう記憶を捏造・すり替え…己に都合よく事実をねじ曲げる。
「根っからの嘘つき」とは、まるで彼等を指し示すためにあるのではと錯覚させる程だ。

しかし、そんな彼等を初見で見分けるのは難しい。
彼等は概ね、外面がよく積極的。朗らかだったり、親切だったり…とにかく好印象であることが多い。
また、弱者のフリが非常に得意で同情を誘うことも多々ある。
が彼等のそれらは全て獲物を誘う為の罠。見せ掛け。偽物である。
彼等は、そうやって他者に近付き、己の奴隷となる者を物色しているのだ。



■参考資料:書籍『困らせる人々』…だったはず…f^_^;
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